病院編

目が覚めると僕は病院の廊下でストレッチャー(キャスター付き移動用ベット)の上に寝かされて何処かに運ばれてる途中でした。

1番最初に目に入って来た人は父親で、父親には何度も何度も「気をつけろ!」と言われていたので最初に父親の顔を見て口から出た言葉は「ごめん」と一言、本当に申し訳なく思ったことをよく覚えています。

父親は「いいから喋るな!」と心配そうな顔で、言ってくれました。
僕はそのまま目を閉じて、次に目が覚めたのは病院の大部屋で今度は母親が付き沿ってくれていました。

もう真っ暗で母親に「どうなった?」と聞いたら母親が言うには「何処も問題が無いってとりあえず今晩は入院して明日には帰れる」みたいなこと言っていました。

でも僕的には何処も問題無い訳がない!!何故なら体の殆どに感覚が無く手がやっと上がる程度で、なにより首が痛くて痛くて「とにかく何とかしてくれ」と母親に言うと母親がナースコールを押して、それからしばらくして看護婦さんが来たので首が痛いとか肩が痛いとか、とにかくタダ事では無いことを一生懸命アピールしても看護婦さんは「朝になって先生方が来てから診察します」の一点張りで何とも冷たい態度、でもそのまま引き下がれる訳もなく一晩中かろうじて動く両手をバタバタと動かして暴れ続けました。

もちろん何度も「医者を呼んでくれ」と叫びにまくり母親にかなり迷惑を掛けたと思います。

大部屋ですから他の患者さんにもご迷惑を掛けたと思いますがその節は申し訳ありませんでした。

今思えば向かいのおっちゃんが「うるさい」とぼやいていたような・・・

でもな本当に痛かったんや!自分でナースコール押されへんし、とにかく体の感覚が無いねんからタダごとちゃうねん。でも、誰も信じてくれへん。(;;)

だから暴れるしかないじゃない(ごめんね、おかん)

そうこうしてるうちに朝になって医者が来て「首が痛い」って言ったら「この辺?」なんて言いながら首触ってちょっと受け答えしてすぐにレントゲン室に運ばれてレントゲンを撮ったらそれから急に回りの(うるさい呼ばわりしてた看護婦さん)態度が一変に変わって僕的には「なッ!だから言うたやろッ!」なんて思いながらもあまりの回りの変わりようになんかイヤな予感がして内心そこまで騒がなくても・・・とにかく落ち着け!と思っていたら看護婦さんが「大丈夫やから今から簡単な手術するから」って言うから「ウン」て答えて、でも内心(え〜うっそっん、マジかい、シャレならん)なんて言葉が頭の中をぐるぐる回っていると手術室に運ばれてバリカンで人の大事な前髪をバリバリと切って(何すんねんこいつら)と思っていたら看護婦さんが「大丈夫やからなもうすぐ終わるから」なんて見え透いたこと言って僕の心の中では「そんな訳ないやろ!」と看護婦さんに突っ込んでいたことをだれも知らない。

首が折れていたので体を横にすることが出来なく髪を切るにも上向きの状態で切れる所しか切らなかったのでお陰で落ち武者みたいな髪形になった当時16才、年頃の少年にとって大事件やでほんま。。なんて思ってると直径1cm長さ20cmぐらいの棒を耳の少し上のあたりに突き差しボルトを締めるようにぐいぐい突っ込んでこのまま脳ミソまで突き抜けるんじゃないかという勢いで左右合わせて2本の金属の棒が頭に突き刺さって出来上がりそれから今度は大部屋ではなく個室に入れられてベットに寝かされたと思ったらさっき頭に突き刺した二本の棒に重りをぶら下げられてこのまま固定やって、ふざけるな!

*この重りは首の骨と骨の間を広げる為のものです。(首長族のけん引版)

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