夜も更け、既に10時を過ぎていた。
満腹のお腹をかかえ、フルエステの店にバスで向かう。
あらかじめツアーに組み込まれているフルエステの内容は、汗蒸幕(石釜サウナ)、マッドペインティング(泥パック)、泥乾燥、泥風呂、日本酒風呂、アカスリ、マッサージ、きゅうりパックだが、オプションで他のもの(よもぎ蒸し、うぶ毛取り、海草や石膏の顔パック、足マッサージなど)も追加できる。
人によってエステの終了時間がまちまちになるため、小型のバスがエステの終った人から順にホテルまで送ってくれることになっていた。(ホテルまでだいたい10分くらい)
時間を気にせずエステを堪能できるのだ!!
オプションでわたしとNはチマチョゴリで変身とよもぎ蒸し、Tはうぶ毛取りとよもぎ蒸しを追加することにした。
わたしとNはチマチョゴリでの記念撮影のため、みんなが化粧を落としている更衣室で逆に厚化粧をした。
そして、いろいろなデザインのチマチョゴリが吊り下げられているコーナーで、自分が気に入ったものを着せてもらった。
チマチョゴリはどれもみんな色彩がカラフル。
刺繍も刺繍のデザインも独特だ。
着やすくて、見た目ほど窮屈ではない。揃いの帽子もある。
韓国式の座り方(右ひざを立てて座る)を教えてもらい、2人して記念写真を撮った。
わたしも捨てたものではない、おほほほほ!!
わたしたちがきゃあきゃあ言いながらチマチョゴリで変身を遂げているあいだ、Tは別室で顔のうぶ毛を抜いていた。
ピカピカの顔でTが現れ、わたしたちは汗蒸幕に向かった。
石釜に入る前に冷やした濡れタオルをもらい、それで顔を被う。
石釜の中は湿気はないが熱い。
暑いのでなく熱い。
地面の上に藁や麻の布が敷いてあるが座る場所を選ばなければお尻を火傷しそうだ
。たった1つの電球が暗い石釜の中をぼんやり照らす。
なんか石牢に入った犯罪者の気分。
1度の休憩をはさんで約10分づつ、2度汗蒸幕に入り、係の人に導かれて行った先はよもぎ蒸しの部屋だった。
そこには丸く穴のあいた椅子が6つ並んでいて、それぞれの椅子の下にはカセット式のガスコンロが置いてある。
よもぎをはじめとするさまざまな薬草を陶製の鍋の中に入れ、火にかける。
蒸気が上がり始め、徐々に下半身を温めてくれる。
係のおばさんが鍋の蓋をずらして蒸気の量を調整してくれる。
どう考えても人には見せられないよね、この格好は〜
サウナスーツ地のケープがあるから見えないからいいようなものの・・・
でもお尻が温かくなってきてすごく気持ちよかった!
よもぎ蒸しが終り、その後もう1度汗蒸幕に入って、次は泥パックだ。
銭湯のような巨大な風呂場に行く。
入口を入るとすぐ、大きなハケを持ったおばさんが待ち受けていて、そこで顔も身体も全身に容赦なく泥を塗りたくられた。
そしてその横の乾燥室で塗った泥が乾くまで待つ。
既にそこにはTがわたしと同じ姿を晒していた。
うわ〜すごい顔!!(自分もそうなのだが)
乾燥室の天井には扇風機が付いていて生暖かい風を絶え間なく送ってくる。
身体の泥が乾燥してくるにつれて、なんだか痒い。
顔も引きつってくる感じ。
10分くらいたったろうか、身体の泥の大部分が乾いた頃に今度は泥のお湯がボコボコ泡だっている泥風呂に押しこまれ、体の泥を落とすようにと指図された。
そして泥風呂を上がったわたしの身体にシャワーの湯を浴びせかける。
この一連の出来事がまるで工場の流れ作業のように行われ、リラックスできないばかりか、むなしい気持ちにさえなってきた・・・
匂いの全然しない日本酒風呂の浴槽に浸かって、アカスリ台(病院の手術台みたいなビニール張りのベッド)が空くのを待つ。
日本酒風呂の横にはアカスリ台5台が横にずらっと並べられているが、それぞれの台のまわりはカーテンで仕切られているので一応プライバシーらしきものは保たれていた。
いよいよアカスリ〜!!
中年の女性がランニングに短パン姿でミトンの手袋のようなアカスリタオルを両手にはめてアカスリをしてくれた。
う〜ぅ・・・気持ちいいぃぃぃ・・・ごくりゃく、ごくりゃく(極楽、極楽)
そんな言葉が思わず口に出る。
全裸であられもない姿だが、羞恥心より気持ちよさが勝った。特に背中〜!
どれほど垢が出たのかわからないけど、とにかく気持ちいい。
極楽状態はまだまだ続く〜
アカスリの後は、全身のオイルマッサージ。
普段やらないような手の指までやってくれるのだ!
う〜寝てしまうぞ・・・
たぶんそのあと、イチゴヨーグルトを身体にすり込んでくれたり、顔にすりおろしたきゅうりのきゅうりパックをしてくれたりしたんだろうけど、いまいち意識が・・・
最後にシャンプーをしてもらってフルエステ終了!
ツアーの他の人たちと一緒に小型バスでホテルに戻り、爆睡しました。