11.09.22-25 建物巡礼 その3
その1 その2 その3
<9月25日>
朝7時起床。
身支度を整え8時出発。
コンビニで朝飯を買い、
昨日行った広島市環境局中工場へ。

開館まで少し時間が有ったので、
車中で朝飯。
ゲートが開いたので広場経由で海側から建物へ。
シルバーの大きな箱と煙突、
シンプルな外観は焼却場には見えない。
幹線道路の延長線上にある、
見学通路を兼ねたガラス張りの空間は、
そのまま海側の広場に突き抜け、
デッキとなって完結している。

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広島市環境局中工場
広島市中区
谷口吉生/谷口建築設計研究所
2004年
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デッキに登って海を見ていると、
清掃工場とは思えない。
のんびりした気分で建物を見学し、
もう一度市街へ。
午前中のメインイベント、
ピースセンター(平和記念公園)到着。
車を停め、
先ずは広島平和記念資料館。

中学校の修学旅行以来なので、
約30年ぶり。
建物は何度か改修されているものの、
変わらない存在感。
ピロティの柱を見ただけでも、
美しい。
当時は本館のみの展示やったと思いますが、
今は東館から入って渡り廊下から本館に移動する。
東館は広島の歴史、
本館は原爆による被害を見学、
先の地震時の原発問題が記憶に新しいのか、
見学する人の目は真剣でした。
展示物については、
昔の方がもっとリアルで衝撃的やったような記憶があり、
少し内容が変わってしまったのではないかと思います。
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広島平和記念資料館および平和記念公園
(国指定重要文化財・国指定名勝)
広島市中区
丹下健三計画研究室
1955年
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平和記念資料館(東館・改築後)
広島市中区
丹下健三・都市・建築設計研究所
1994年(改築)
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平和公園慰霊碑を参拝。
慰霊碑から原爆ドームが見える。
資料館・慰霊碑・ドームは一直線上に並ぶこの配置、
50年以上経っても色あせず美しい。
(注:慰霊碑は1984年に建て替えられているそうです)

次は国立広島原爆死没者追悼平和祈念館。
円形の回廊を下っていって中に大きな円筒状の空間、
戦災時の風景が360度にプリントされていました。
象徴的な建物という印象です。

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国立広島原爆死没者追悼平和祈念館
広島市中区
丹下健三・都市・建築設計研究所
+国土交通省中国地方整備局営繕部
2002年
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原爆ドームへ向かう途中、
レストハウス呼ばれている古い建物が有るので入ってみると、
ここも残存している当時の建物で、
鉄筋コンクリート造でかつ、
爆心地方向に窓が少なかったお陰で残ったとの事です。

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広島市レストハウス/旧大正屋呉服店(燃料会館)
広島市中区
増田清
1929年
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そして原爆ドーム。

崩壊した建物そのものが、
今でも強い反核のメッセージを放っているようです。
傍では地元の方が当時の様子を語っていました。
被曝された方々が高齢になり、
体験を風化させないために語り継いでいこうと、
活動されているのかもしれません。
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原爆ドーム/旧広島県物産陳列館・産業奨励館
広島市中区
Jan LETZEL(ヤン・レツル)
1915年
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公園から離れて散策すると、
縁石に被曝石が埋められていたり、
爆発時の熱線を受け、
影を残している地蔵があったりします。
そして街路の片隅に、
ひっそりと爆心地の石碑。

こんなところにあるとは初めて知りました。
ここの上空600mで爆発が起こった、
思わず空を見上げてしまいました。
12時。
午後は船で宮島へ向かいます。
昼飯を買いこみ、
急いで船着き場まで走りました。
平和公園から宮島まで、
何と船で移動します。
「世界遺産航路」
と呼ばれているそうです。
12時過ぎに桟橋(ドームの近く)に集合し、
12時20分出港。
席について先ずは昼食。
SUBWAYのサンドイッチとコーラ、
ビールにすれば良かった・・・
低速で太田川を河口へ進み、
朝見た広島市環境局中工場が見えると海、
スピードをあげてどんどん西へ向かいます。
50分ほどで宮島到着。
こんなルートが有るとは知らんかった。
この日のこの時間を選んだのは、
干潮のため鳥居まで歩いて行けるからで、
船を降りて鹿と戯れながら歩いていると、
もうすでに鳥居の下には黒山の人だかり。
普通に歩いてますね。
慌てずに先ず厳島神社参拝。
干潮だと本殿のまわりに水が無く、
水上の神社という雰囲気を味わえなかった。

神社の中央部、
雅楽のような音色と、
舞っている方が1名。

何かの祭かと思ったら、
結婚式でした。
世界遺産で結婚式、
これは思い出深いでしょうね。
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厳島神社
広島県廿日市市
創建597年
造営1168年
回廊 16世紀後期
本社本殿 1571年
本社幣殿、拝殿、祓殿 1241年
客神社本殿幣殿、拝殿、祓殿 1241年
能舞台 1680年
大国神社本殿 1571年
天神社本殿 1556年
大鳥居 1875年
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ひと通り歩いて神社を抜け、
いよいよ鳥居へ。
ややぬかるんでいるものの、
普通の靴で問題ない。

近づくとやはりデカイ!

それと、
脚が真っ直ぐじゃなく、
ややねじれてる。
1本の木から作るんやから、
こんなに大きい木は国内にも、
ほとんど無いやろうな。
真下で見上げてみる。
船から見たら小さかったけど、
デカイ!
いろんな角度で眺めてみるが、
良く作ったもんや。
帰りの船の時間が気になるので、
そろそろ戻る。
土産物売り場で、
もみじまんじゅうを慌ただしく買い、
帰りの船に駆け込み、
40分ほどで平和公園着。
資料館をもう一度眺めて駐車場へ。
駐車場の傍のモニュメント「平和の門」も、
「平和」といろんな国の言葉で書いてありました。

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平和の門
ジャン・ミシェル・ヴィルモット(Jean Michel WILMOTTE)
+クララ・アルテール(Clara HALTER)
+大林組広島支店(Obayashi Corp.)
広島市中区
2005年
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名残惜しいですが車に戻り、
広島を後にしました。
ものすごく長い3日間、
色々な建物を見る事が出来ました。
<完>
update 11.11.19