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生徒一人ひとりに確実に技能を習得させる
「スパイラル型」技能指導法



森川正彦(法則化中学太子サークル)

作品製作の成否を分ける技能を、確実に習得させるために「スパイラル型」という方法を提案する。

 実技教科のそれぞれの分野を指導する上で、その分野の中で中心となる「技能」があるのではないかと感じている。
 それを「中心技能」と名付けた。「中心技能」は、作品製作の成否を分ける技能であると定義する。
 木材加工では、「のこぎりびき」が「中心技能」になるのではないか。
 けがき(材料に線を引くこと)は、相互に点検するとミスが発見しやすい。修正も比較的簡単である。
 だが、のこぎりで「真っ直ぐ」に木が切れないと、作品の出来具合に大きな影響がある。修正してやりたいが、40人の一斉授業の中で、失敗した生徒だけに関わる時間をとるのは難しい。また2〜3人が失敗すると、教師はパニックになる。
 いろんな工具を使い、いろんな経験をすることは大切である。だがそのなかで「中心技能」に関しては、全員に確実に習得させたいと考えている。
 その技能習得の方法として 

一連の実習の中で、少しずつ変化を加えながら、何度も体験させるといった授業の組み立てを考えた。

こういった指導方法を「スパイラル型」と名付けた。

現在、次の3つの方法を行っている。

A のこぎり引きに対する「スパイラル型」指導

B はんだづけに対する「スパイラル型」指導

C げんのう(くぎ打ち)に対する「スパイラル型」指導


 これまでのやり方(スパイラル式を取り入れる以前)では、こういった生徒は他の生徒より大幅に遅れることが多かった。授業中に個別に教師が手を貸して、失敗した部分をやり直したり、放課後に残して作業したりすることが多かった。

 個別指導で長時間つきっきりになることは「あいつは上手くできない」ことをクラスの中で公言しているのと同じことである。
 生徒に「成功体験」ではなく「失敗体験」「劣等感」を持たすおそれがあるので、「短く」「何回も」を指導の基本としている。


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