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森川正彦(法則化中学太子サークル)
一連の実習の中で、少しずつ変化を加えながら、何度も体験させることで、確実に「技能」を習得させる。
(1)「引き始め」のみの「パフォーマンステスト」
けがき線からずれないように、のこぎりのもと部分で引き溝を作る。生徒たちにとり、ここが一番難易度が高いと考えられる。
そこで、その部分のみに「限定」して、作業を行わせた。
この作業を生徒たちには「パフォーマンステスト」と言っている。
・板を1枚。万力で固定する。
・こば面に10mm感覚で赤線を引いておく。
・一人ずつ、5mm程度、切り込む。
・一人ずつ「合格」させていく。
・合格した生徒は、名簿にシールを貼る。
(2)「まっすぐに引く」ことを習得させる
板を4枚重ねる。一番奥に(1)で行った切り込みを入れた板を置く。これを「のこぎり引き矯正治具」と名付ける。
ある程度厚みができるので、のこ刃をまっすぐに動かさないと、途中で引っかかってしまう。
以下のことに気をつけさせる。
・おへそに向かって真っ直ぐに引く。
・頭の位置に気をつける。
・「刃わたり」をいっぱいに使う。
・力は入れない。軽く動かす方がきれいに切れる。
一人あたり2分程度作業させて、出来ていない生徒は、個別指導をした後に合格させる。
(3)パフォーマンステストをおこなうことの利点
授業が重い(停滞している)ときに「教師のところに来させる」(身体を動かす)ことにより、授業に活気が生まれる。
ADHD傾向の生徒が落ち着きがなくなる。こういった場合でも身体を動かす作業を間に入れることにより、脳の満足度があがり、落ち着く場合も多い。
「テストです」と言っても来ない(反抗的・無気力な)生徒がいる。こういった場合も、班で来させると、一緒に来ることが多い。「集団の教育力」を応用した例である。
テストを受けさせることができれば、個別にほめることが出来る。
ほめることを繰り返すことにより、自己肯定感が向上してくると、それからの指導がしやすくなる。