一口に陶芸といっても、プロとアマチュアの違いは大きく又、プロの中でも職人の世界と作家の世界があり、それぞれのプライドや、価値観も異なっているように思えます。職人さんのこだわりは、使い手の事を一番重きに考えていること。たとえば昔の生活環境から見ても、大家族制で人数も多く又、冠婚葬祭など家の行事で親戚が集まる事が多く、道具としてセットで保管したり、消耗品として補給もしていました。そのために同じ物を大量に生産する必要があり、相手のニーズに合わせられる事が、最高の腕の見せ所であったはずです。ところが最近では核家族化が進み家族数が少なく、家も狭く保管がむずかしく、親戚が集まり家で食事をする事が皆無となりました。外食で済ます事が多くなって来ましたので、器への思いも変化してきたようです。
 個性重視の作家さんの作品が高級品として、脚光を浴びるようになり、専門の大学を出た陶芸家が増え芸術性を問われる時代が来ました。人間国宝の人や有名作家の作品は美術品の価値が出てきてびっくりするような値段が付いたりしています。高級品を家宝として大切にしまっておくより、私個人としましては、自分の気に入ったものを、購入してやっぱり使ってこそ価値があると思うのです。
創り手の心を感じながら、使って育てて自分の物にするこれこそ最高の贅沢です。
 アマチュアの趣味の陶芸家はマイペースで、楽しむことが一番で、年齢・性別・職業の関係無く本音の付き合いができ、視野を広げ、人間の幅も大きくなれます。興味のある方は一度試してみてください。


                       前のページに戻る   続きを読む