思えばこの仕事についてもう18年目になる。
さすがに18年もやれば色んな事がある。
非常にきついことが良く起こる業界だ。
でも、今日は前の仕事の話をしよう。
この仕事に入る前の2年間は車とはまったく関係のない業界にいた。
ちょっと説明するのが難しいのだが、ショッピングセンターやファッションビルの
店舗の企画、立案、設計、施工の仕事だ。
若かったのでビル全体の企画などは担当させてもらえなかったが、
それでもフロアの何店舗かの企画や設計などには少し関わらせてもらえた。
この仕事は傍から見れば華やかな業界に見えるのだが、
実際にやってみると実に地味でハードな業界だった。
完全に休めるのは月に1〜2日、帰るのは毎日12時を過ぎていた。
中でも一番ハードだったのは、最後の仕上げの工事の段階のときだ。
ファッションビルの内装工事は全体の工程の中の一番最後の部分だ。
切羽詰った現場ではオープンまで10日足らずで10店舗以上を完成させる。
バブル全盛で店舗デザイナーも凝りに凝っていたので工期の短いのは大変だ。
あるショッピングセンターを改装したときは最高で4日間ぐらい一睡もしなかった。
バタッと音を立てて倒れて人間が一瞬のうちに睡眠に入るのを何回も見た。
寝られると起きてる人間は非常に困るので、頬を叩きながら無理やり起こした。
人間は極限に陥るとわけの分からない事を言い出す。
殴りかかられた事もあったし、「お母さん」と抱きつかれた事もあった。
そんなこんなでオープンにこぎつけたときは本当にうれしかった。
涙が出る事もあった。
今思えば、本当にいい思い出だ。
あのころの経験があるからこそ今の僕があるのかもしれない。
この話は第3弾ぐらいまで書きます。
僕の若かりし時代のヘビーで楽しい話、楽しみにしていてくださいね。
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