原 価 予 測 

原価予測とは?
 
販売量や生産量を増減させたときに、原価がどう変化するかを予測することは、企業経営の重大な関心事の一である。この方法には次のようなものがある。

 製造直接費  IE法
 製造間接費  予測法  費目別精査法
 高低点法
 スキャッターチャート法
 最小自乗法

 これらの方法は概ね生産量と製造コストの関係を、1次方程式(y=ax+b)の関係に数式化して、原価予測を行おうとするものである。1次方程式の関係を仮定するのは、製造コスト=固定費+変動費の関係より、導かれる。

 これらの方法は、過去に発生した実績原価から、将来発生するであろう原価を予測するために使用されます。実績原価を固定費と変動費に区分して考えることがポイントです。

IE法

 IE法とは、Industrial Engineering法の略であり、投入量と産出量の技術的関係に基いて発生すべき原価を予測する方法である。この方法は、標準原価計算における製造直接費の設定に適している。

費目別精査法
 費目別精査法とは、費目ごとに固定費か変動費かを区分する方法であり、実務では多く採用されている。固変分解は主観的であるが、財務会計との整合性を取りやすいという長所を有する。

高低点法
 生産量と製造コストの関係を、1次方程式(y=ax+b)の関係と仮定して、その費目の最大値と最小値からxとyを解いて、原価を予測する方法である。

スキャッターチャート法
 生産量と製造コストの実績を、グラフに記入して、それらの点の真中を通る直線から、1次方程式(y=ax+b)を導いて、原価を予測する方法である。

最小自乗法
 スキャッターチャート法を数学的に行う方法である。生産量と製造コストの関係を、1次方程式(y=ax+b)の関係と仮定して、実績と1次方程式の偏差が最小となるような1次方程式を求める。

 輩=na+b肺
 肺y=a肺+b肺
2
 この連立方程式をaとbについて解き、y=ax+b の関係式を導く。

 原価予測には様々な方法がありますが、一番重要なことは最も簡単で最も正確な方法を選択することです。「精緻な方が優れている」という錯覚に捉われて、計算自体が目的化してしまわないように注意しましょう。

参考文献: 原価計算(岡本 清)

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