CVP分析 

CVP分析とは?
 
CVP分析とは、原価・営業量・利益(Cost/Volume/Profit)の相関関係を分析する手法であり、企業において、短期利益計画を策定するときに用いられる。売上高が増減したときに、原価と利益がどう変化するかについては、伝統的な全部原価に基く損益計算では、何の情報も提供してくれない。そのため、原価・営業量・利益の関係を分析するには、CVP分析が必要となる。

 例えば、売上高が20%アップしたときに、利益も20%増加するでしょうか?そんなことはありません。ではどれだけ増加するのか?このような関係を明らかにするのがCVP分析です。

CVP分析の公式

 CVP分析を行うにあたっては、先ず原価を固定費変動費に分ける必要がある。固定費とは売上高の増減にかかわらず一定の費用をいい、変動費とは売上高の増減に伴い増減する費用をいう。

    原価=変動費+固定費

 売上高から変動費を控除した残額を貢献利益という。

    売上高−変動費=貢献利益
    貢献利益−固定費=営業利益

 これらの関係を利用すると、利益がゼロとなる売上高、つまり黒字転換できる売上高を求めることができる。このような売上高を、損益分岐点売上高という。

    売上高−原価=0
    売上高−(変動費+固定費)=0
    貢献利益=固定費
    売上×貢献利益率=固定費

  ∴ 損益分岐点売上高=固定費/貢献利益率

 これらの公式は、売上高から変動費を引いた残りの貢献利益で固定費を回収するという考え方をとっています。例えば、ラーメンの売価650円から材料費300円を引き、残りの350円でお店の家賃の支払に充てる、という考え方です。

 経営レバレッジ係数を用いると、売上高の増加率から営業利益の増加率を求めることができる。

    経営レバレッジ係数=貢献利益/営業利益
    売上高増加率×経営レバレッジ係数=営業利益増加率

 このように原価を変動費と固定費に分けることで、経営にあたって必要な指標が簡単に導けるようになります。変動費と固定費の区分は概ね勘定科目で分類可能です。


参考文献: 原価計算(岡本 清)

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