「グワーオ」
風属性になり、素早くなったフィソラが、体当たりをぶちかまし、敵を吹っ飛ばす。
そのおかげで、アイリスへの攻撃は免れた。きっとフィソラは、攻撃ではなく、守るために飛んだのだろう
『大丈夫か、アイリス』
「大丈夫よ、ありがとう」
「雲に向かいし強き風よ、かの者を飛ばし叩きつけよ ”エアクラッシャー”」
敵が吹っ飛んでいる間に、リーリアが素早く唱える。
素早いだけに威力は低いが、まずはいろいろ試して見ないと、武器はあまり役立ちそうにない……。
エアクラッシャーは見事に命中し、上昇気流で敵が上空へ舞い上がる。そのまま下降気流で叩きつける。
敵の体に傷が付く、土属性は風に弱いからだろうか、だとするとますます武器は役に立たない……。
さっさと集まり作戦を練る。まさか、剣も打撃も聞かないとは。幸いにも敵はひっくり返っている、起き上がれないようだ。
「武器は効かないし俺達は攻撃を防ぐ。アルタイルそれでいいか?」
「もちろんです。役に立たないのなら仕方がない」
「リーリアとフィソラはチャンスがあれば攻撃を叩き込んでくれ」
「ようやく、強いのも使っていいのね。今回は特に気をつけてね。究極のを使うわよ」
『前衛は私に任せてくれ、私は風属性の攻撃でチャンスを狙う!』
「アイリスは、隙を見て捕縛魔法を頼む。リーリアかフィソラの一撃を当てやすくしてくれ」
「いいわ、サポート魔法の底力、見せてあげるわよ」
「じゃあみんな頼んだぞ」
待っていたかのように敵が起き上がる。
またしても潜られた。
皆、目の前に現れてもいいよう、警戒しているのが空気で分かる。
フィソラの前の砂が動き、突如ゴーレムが飛び出す!
蹴りつける。
必殺技をぶつける。