しばらくして気がつくと僕は逃げられないように椅子に縛り付けられていた
どうやら逃げられないようにするための処置らしい
こうなっては逃げることが出来ない・・・仕方なくあきらめて話に付き合うことにした
「よお気がついたか?」
リックがこちらの顔を覗き込んで言った
「・・・ちょっと人間不信になったかもしんない」
僕は恨めしげな視線を送った
「よかったな〜それだけですんで、うん、俺ん時も悲惨だったからな〜」
うんうんと頷く
「ハーメリアは?」
「次つれてくるってさ」
「ところでこれ解いて」
「りょーかいりょーかい」
リックは後ろ側に回り込んでロープを解き始めた
「次って誰なんですか?」
少し後ろに振り返って尋ねる
「ミリィ=ベルっていうやつ、聞いたことぐらいはあるだろ」
「ああ、弓使いのミリィね」
ミリィというのはこの辺りでも有名な人物で魔物ばかりを相手にしている流れの弓使いだ
金さえ払えばどんな魔物も責任を持って必ず退治してきたプロフェッショナルであり困っている人間を見捨てない人道派でもある
「この辺りで実力のある奴は出来るだけ引っこ抜いておくつもりらしいぜ」
リックはいまだにロープと格闘している
「それともう一人誰だったか大剣使いの傭兵も参加させるつもりしてるらしい」
「ふーん」
いまだにロープが緩む気配は無い
「でもま、俺としてはぞろぞろ人数増やすのには反対だけどな!」
強引に拉致した分際でそんなことを言う
「確かに人数が増えればそれだけ戦力は増える、
だがせっかくリスクを犯して戦うってのにもらえる金が少なくなっちまったら俺としては洒落んなんねーからな」
「なるほど、でも生き延びることのほうが大事なんじゃねーか」
確かに大所帯のほうが生き延びる確率は増えるが一人当たりの報酬は減る
でも今回は相手が相手だ、慎重にいったほうがよいのではないか?
「俺は自分の腕とハーメリアの魔法の力を信じている。お前さえよければこの人数で出発したほうがいいと思うんだ、ギルバート、お前どっちがいいと思う」
@相手に直接会ってから決めたい
A僕達だけで十分だ!