「僕もあまり大人数で行くのは賛成じゃない」

僕は控えめながらそう発言した

「どういう動きをするかわからない相手と組むのはあまりいい考えじゃない」

僕がそう言ったのとリックが縄を解き終えるの、ハーメリアが帰ってくるのはほぼ同時だった

「あんたたち、紹介するわ、弓使いのミリィよ」

とハーメリアに促されて入ってきたのはかなりの美人だった

僕の隣ではリックが鼻の下をだらんだらんに伸ばしていた

僕はそれに思わず顔をしかめる

「私はミリィ=ベル、扱う武器は弓よ、よろしくね」

「こちらこそよろしくお願いします!」

リックは差し出された手に飛びつくように握手している、を〜い

「それじゃあグレイス城までのルートを決めるわよ」

誰かを忘れているような気がしないことも無いがハーメリアはそう言って大きな地図を広げた

レイドックの町からグレイス城に向かうまでの地図だ

「まず一つ目がラーデシア山脈を抜けるルートね、ほぼ一本道迷わずにすむけどきつ〜い山道になっているのが欠点ね」

そう言いながら赤ペンでルートに線を引いていく

「二つ目がガルディアの森を抜けるルート、天然の迷宮だけどこれが一番の近道になっているわ」

このルートにも赤ペンを走らせる

「最後にこの二つをぐるーっと回り道するルートね、安全だけど何日も到着までにかかるのが欠点」

最後にぐるーっと長い線をひいた

「私としては上空から偵察できる人員がいることだしガルディアの森を抜けるルートがいいと思うんだけどみんなはどう思う」

ハーメリアが全員の顔を見回した

「俺には異存ないぜ」

とリック

「私も賛成です」

とミリィ

僕も少し考えてやはりこのルートが一番であろうと結論を出した

「じゃあ決まり、出発はあしたの6時、遅刻は許さないからね!」

ハーメリアは有無を言わさぬ口調で一方的に押し切ってしまった