それからグレイス城に着くまで2日を要していた
ガルディアの森を抜けた後は本来半日くらいで到着できる距離なのだが
リーファの予想していたように多くの魔物が布陣していたからかなり時間を食ってしまった
さすがにミノタウロスよりも強い魔物は出てこなかったがサーフィスを相手にすることを考えるとかなり痛かった
「地図によるともうそろそろのハズだぜ!」
パーティの先頭を進むリックが後ろを振り返ってそう言った
「いよいよね」
とミリィ
「思いっきり暴れるわよ〜」
と気合十分なハーメリア
そこにフラフラと飛んでくるものがあった、よく見るとロードの使っている使い魔だった
《ギルバート、ちゃんと聞こえているか?》
使い魔を通して伝えられたのは果たしてリーファの声であった
「リーファ!」
どうやら無事にガルディアの森から脱出できたようだ
《うむ、聞こえているようだな。用件だけ手短に話すとサーフィスが魔王召喚に使えそうな場所を特定できた》
「マジか!?」
絶句するリック
《強力な精霊や悪魔の召喚には一定規模以上の広さの魔方陣が必要だ、調べてみるとグレイス城の中庭くらいしか場所が残らなかった》
「城門を突破できればすぐね」
思わぬ朗報に声が少し弾む
《だがこの城を中心に大量の魔物が配置されていて見つからずに進入するのは不可能に近い》
「やっぱり・・・」
予想できていたとはいえはっきり言われると沈む
《そちらで囮を用意できれば天候を遠隔操作して援護することも可能だ》
「囮か・・・」
つまり城を取り巻いている魔物を少人数で引き付けておいて、その間に残った人数でサーフィスを倒すということだ
使い魔から送られてきた情報からすると囮役の生還はかなり難しそうだ
僕たちは誰を囮役にするか少しの間話をした
@リックにやらせる
A自分でやる