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<田舎の焼肉>

<あらすじ>
昨日は、道場の保護者会主催のバーベキュー。
毎年、恒例のこの行事なんだけど、子供がこの春から柔道を始めたので、嫁さん、うちの子は、初参加。
よその父兄は、みんな食材の用意、調理等々大忙しで動いてるけど、
うちの嫁さんは、指導者の奥さんということで、働かせて貰えない。参加費もタダ。

「ささ、奥さんどんどん飲んでや。」「若いんやで、肉食うてや。」上げ膳据え膳状態。
「ツツミさん、あかんわ。嫁さんほとんど飲めませんわ。」
「あかんで、来たからには、飲んで帰ってもらわんと気い悪いがなぁ。」
「見てみぃ、よその母ちゃん連中、始まる前から出来上がっとるで。」
知ってるって。もう、何回も抱き付かれた。

「しかし、何やなあ、こうして見渡すと、畳屋やろ、大工やろ、電気屋、飲み屋の大将、
うちが板金屋で、あの母ちゃんが10tダンプの運ちゃん。あっちの方みてみいや。
瓦職人やろ、仏具屋、配管工事、縫製屋、床屋もおるがな。みんなそろったら家一軒立つやんけ。」
実際、バーベキューも、畳屋の、畳、電気屋の照明、板金屋の作った馬鹿でかいコンロ。
百姓の作った野菜、石切屋が持ってきた直径2メートルほどののこぎり(馬鹿でかいコンロの上で鉄板の代わり)、
あっという間に何でも揃う。
何時間もかけて狂想曲は続く。周りで子供達は無邪気に遊ぶ。

「おおい、どうもないか?そんなとこで寝てたらあかんがな。椅子ごとひっくり返るで。
まったく、飲めもせんのに、桃のお酒おいしいわ。なんて言いもって、二本も飲んだやろ?
他にもビール何杯も飲んどったみたいやなあ。」「ほれ、起きよ。
そろそろ帰るで。子供は二人とも、遊び疲れて寝てもうた。
車ん中に横にさせてあるけど、お前どうすんねん。」「父兄の皆さん、
みんな片付け終わってまうがな。あかんわ。動かへん。」

「パパぁ、おんぶしてぇ。」
「まったく、かなんわ。よそも似たようなもんやで、かまわんけどあんまり飲んだらあかんがな。」
「寝かすで、そこ、頭ぶつけんなよ。今日は酒、ようけい飲むつもりやったからお前の運転で来たんやろうが、
俺、免許家に置いて来てもうたがな。まあ、近いで、田んぼ道選んで走れば最悪でも、
人んちの田んぼに嵌るぐらいや、心配すんな、稲刈り済んだあとやし。出られなんだら、
トクオさんに引っ張りに来てもらったらええがな。」
「ええか?車だすぞ。それじゃ皆さん、片付け途中やけど、すんません。

嫁さんこんなんなったし、帰らせてもらいますわ。お疲れさんでした。
・・・あーあ、気持ち良さそうに寝てるがな、ほっぺなんかピンク色やし、なんか色っぽいやんか。
袖の無いシャツやし、スカートなんか膝より上までや。俺、今日、飲むのは飲んだけど、
色々食べながら、時間かけながら、しかもビールだけや。眠くもなーんともあらへん。よおうし、
このまま嫁さん犯したろ。子供もよう寝とるし。川原まで直行や。
決めたで。覚悟せいよ。なあに焼肉臭いんはお互い様や。」

「パパぁ、ゴミバ・・ゲロッボバァ、ブシュッバウエ〜ッ☆♂♀※」
「あっ、あかんゴミバコ、手届かん。タク!、テツ!起きろ!母ちゃんピンチや。ゴミバコ渡したれ〜。」

「ようし、キレイに洗ってやったぞ。あとは自分でパジャマ着れるやろ?タクは、
ポカ〜ンはだかんぼうのままでいるんやぞ。お父さん上がったら尻に汗疹の薬塗ったるでな。」
「はい、二丁上がり。」
「おとーさーん。チューペットは?」
「チューペットってなんや?お前のぬいぐるみか?」
「ちゃうわ、ビニールに入ったアイスやんか。なんでそんなん知らんの?」
「そんなん、おばあちゃんに言えよ。お父さん頭洗ってる途中やぞ。」
「おばあちゃん、向こうのお二階やし、お母さん´病気`なんだもん。」
子供に罪はないのである。

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