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このページは、想い出のページなので、時間的概念がありません。時代を行ったり来たりします。

<季節労働>

○大フォークソング愛好会は、お中元とお歳暮の時期になると忙しい。
晴海にある三越の配送センターでサークル単位のアルバイトがあるのだ。

代々、当サークルは、配送センターの総務の仕事。
次々に出勤してくるバイトの出席を取ったり、
早退したヤツの給料天引きの計算をしたりするのが主な仕事。
東京中の大学からバイトが集まってきてセッセと働く。

W大の相撲部は、代々サラダ油の包装。
T大の漫研は、代々海苔の包装。
なんだか体力に応じて扱う商品が決まってて面白い。
唯一たかが○大のフォーク愛だけが学力不相応の総務勤務。
T大の学生の給料だって司っているのだ。

H大の柔道部なんかは、一日中石けん、洗剤を包みまくってる。
俺達は、朝夕の出欠点呼とか以外は非常に暇。
コーヒーをすすりながら、オセロ、クロスワードなんかをしてればいいのである。
それで給料は同じ。もし、これから○大に入る人がいたら、
フォークソングに入ることを勧める。

ただ、唯一緊張するのが給料日。
あまたの学生たちの給料を、日本橋の三越本店まで取りに行かなければならない。
また、無事に晴海まで戻って、計算間違いなしに分配しなきゃならない。
一円でも違ったら、やりなおし。
しかし、みんなギタリストだったり鍵盤弾き。指先は上手に動く。

千円札の束なんか、銀行員みたいにペラペラとさばく。
ってか、本店への往復・・・会社のハイヤーでするのだが、
晴海に戻るときは、ジュラルミンのケースが、手首と手錠で繋がれる。
・・・持ち逃げを疑われてるわけではないよ。
もし、現金輸送車強盗に襲われると、手首切られちゃうかも〜〜

無事に戻ると、総務の偉いさんがカギを外してくれる。
手錠の鍵と、ケースの鍵は、違う人が持っている。

なぜ、こんな物騒な役目をバイトに・・・?
アバウトな時代だったんだなぁ〜〜

T大も この時だけはひざまずく エリート達をアゴで扱う

現金ギッシリ ジュラルミン 繋がれし我 重り役?

<第2外国語>

第2外国語なる物を履修しなければならない。
英語も話せないのに、である。
俺が結局選んだのはドイツ語。
イッヒ・ビン・ヤパーナである。
ここでこれを覚えて、今役立ってることがあるとしたら、
レーベン・ブロイが命の泉、
バーム・クーヘンが木のお菓子ってのが分ったぐらい。

しかしタマゲタ。
単語ひとつひとつに男女の区別があるのだ。
鉛筆は男、海は女、船も女、飛行機は男ってな感じ。
この独逸語には泣かされっぱなし。宿題が出る。
小学生じゃないってのに。

ただ、独逸語の文章を日本語に訳して持っていくだけなんだけど、
全くチンプンカンプン。
訳す以前に、読めない文字がある。A(アーウムラ〜ト)、U(オーウムラ〜ト)、
AとUの上に、それぞれ二個ずつ小さい点がつくのだが、このPCじゃ表現できない。
卒業までにやっとアーベーツェーデーエーエフゲーが言えるようになっただけ。
今はもう言えない。

それでも、まだ独逸語はマシなほうで、
アラビア語を選択しちゃったセキネくんは悲惨。
とうとう最後まで一文字も書けなかった。

中国語のボボは、発音で泣いていた。しょっちゅう「みゃー」「みゅー」っぽい練習をしてたっけ。
中国語で、郵便局のことを、便所というらしい。びぇんじょ〜と発音するかは知らない。
ヨッチーはフランス語。なんでも「これは何ですか?」って尋ねるのに「ケツ・クセー?」とか言うらしい。

あの頃このPCがあったら楽だったろうなあ。
ちょっとおかしな訳をするが、「翻訳の王様」とかあるもんなあ。
アラビア語だってなんとかなるかも知れない。

フランスの エスプリ効いたケツクセエ これが文字なの?アラビア語

けつくせぇ 便所だ これなんですか 郵便局

<スキー熱>

冬になると、周囲はスキーの話題でもちきりだ。
車を持ってるヤツが急にモテはじめる。
俺は持ってないからあんまりモテない。
それ以前に、スキーの経験が2回しかない。

高校の時に、体育の授業で連れて行かれたのと、
親戚のオジサンに連れて行かれたのぐらいである。

丁度、原田ともよだったかの、
スキーの映画が流行ってた前後だったかなあ?
スキー無関心組みに急に持ち上がった「スキーやってみっか?作戦」。
もちろん、ハセチン、ヤマモトも一員である。

車はヤマモトの中古ローレルがあるし、
先ず最初にゲットしなきゃいけないのはウェア。
板とか棒は向こうで借りればいい。

御茶ノ水に買いに行く。
あまりの値段の高さに絶句。
下着とかマフラーまで揃えたら10万円ぐらいかかるやんけ。
そんなの買うのなら、バイクのマフラーのほうがいい。
結局、変な安物を2万円ぐらいで揃えた。プロストモデル?
だったかが流行してて、それのバッタもん。

見栄っ張りのハセチンは
「ヤッパよぅ、やるからにはちゃんとしたの欲しいゼ。」
とか言ってバイトでウェア貯金を始めた。
カタチから入るタイプ。
それがアダになって、シーズン中に金が貯まらず、計画は立ち消え。
俺の手元に安物のウェアが一着残っただけ。
冬、バイクに乗るときに重宝したから救われたけど。
レーシング・ウェアみたいなデザインだから。
まったくハセチンったらあ。

ユーミンが 頭の中でこだまする Tarouをスキーに連れてって

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