みんながよく通る早春の馬場町の路地

 以前に描いた「いつもの馬場町道り」に酒屋『福丈商店』の自販機を描いた。その自販機を右後ろに見ながらこのスケッチをした。

 この路地の両側の民家は現在空き家になっている。
自分の小さい頃は,ここの通りも格好の遊び場だった。「缶けり」をしたり,「独楽回し」をしたり,子どもたちがいっぱいいてにぎやかだった。何年も前のことである。
 しかし,ここで遊ぶ子どもはいなくなったものの,今でもけっこうこの路地の人通りは多い。中町の方からやってくるときの近道だったり,福丈商店に酒や煙草を買いに行くときに近くて便利だからだ。

 スケッチは4月の終わりにしたのだが,その日はちょっと肌寒く,春だのに空を高く感じた。日が少し傾きかけていて,正面の家の塀にまだ芽吹きかけの木がその影を映していた。まだ緑が少なかったが ,日の光と陰の対比がとても印象的だった。

 

2003,5,10


水彩画廊へ