時計商店計画図

第72図

第74図
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[設計解説]
(注)間口、奥行き、高さ等、設計を変更して戴いても良い、
入り口ドアーの上の欄間は特注のステンドグラスを設計します。
解説では木造ですが、現在では、鉄骨及び、RC造りが望ましく思います。又正面の衣装は大理石を貼ったら・・と思います。
管理人所見 2004・11・17
[本 編]
本設計は貴金属宝飾店に充てんが為に設計したものですが、
高級洋品店に応用しても良いと思います。
(当時「明治40年」の設計図及び仕様書をここでは忠実に再現します。)
外部は木造漆喰塗りにして、第一階を第76図平面図に示されているように店及営業室とし、階上は第77図に示す如く、階上まで
打通し(吹き抜け)にして廻り廊下を設け、四面の壁には、商品を陳列し、銀行の如く廻り廊下より階下の店を監視するのに便利です。(今風に設計すれば監視カメラ、熱監視センサー等を設置。)
三階は第78図の如く日本室とし定員の寝所にあて、尚階段を昇れば屋根上に出られます。
屋根は平屋根とし、庭園を造り花草を栽培し、池を穿ちて錦鯉を放養するも宜しく、又四阿屋を設けるも面白く、望遠鏡の試験にも応用されます。
この平屋根は鉄筋コンクリート造りとし、平面図に在る如く四隅中央2箇所に鉄柱をH字形に二本組み合わせて立て込み、鉄梁を架し、鉄ボルトと短册鉄にて鉄筋を構成し、下より木枠を組、
セメントコンクリートを打ち挿図の如く堅めセメントモルタルにて
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上端を均しルーフリング及びアスファルトを
交互に畳み上げて、上に小砂利を敷き詰めるのです。
手摺は雨晒しですから、テラカタ(陶器製)が
一番です。
商店の床は客の入り易いように低くしました。
(今風に言えばバリアフリーです。 |
明治時代後期、ごく普通に段差の無い床が設計されていました。
現在では設計家はもとより、町の大工さんまでが、バリアフリー
設計を売りにしています。当たり前のことですが、何か少し
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可笑しいですね?・・・・・。管理人の戯言ですか、・・・・解説に戻ります。)
入り口は鼠縞大理石を以って造り、ショーウインドーの下も大板一枚張りとします。
入り口の戸は二重戸で、外部の扉は夜間のみ使用し、昼間は内開きに開いて置き、又内扉は
自由戸として出入りに便利です。
ショーウインドーは磨き一枚ガラスを使用し少なくとも70センチ高位が適当です。
手摺は真鍮ニッケルメッキパイプの経一寸六分(約4〜5センチ)位のものを用い、
硝子屋根は鉄骨を用い傾斜をつけます。


第75図店舗横断図

第76図階下平面図
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第77図2階平面図
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第78図 3階平面図
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(注)第78図3階平面図は、ここでは約24坪
ほどで、和室の設計になっていますが、坪数
の大きさは問いません。又社員寮になってい
ますが、是もショウルームにして床は40センチ
角の寄木の床材を用い、出来れば階段室の
奥のコーナーにエレベータ室を設計すれば好
いと思います。 管理人、提言 T

正面入り口・レトロに開きドアー高さ2500巾1850
ステンドグラスの欄間、高さ900嵌め込むステンドグラス
のデザインは、書き換えて下さっても、構いません。
ショールームの天井高は4000〜4500がいいでしょう。
管理人提言 U
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あとがき
建築技師、小野武雄氏は著書、洋風折衷建築設計図集で数々の設計モデルを公開していますが、実際にも明治時代後期から昭和に翔けて多数の建物を設計しています。代表作には1930年に、安岡豊と旧横浜地方裁判所を設計しています。
J.McD.Gardiner, の事務所にも或る時期在籍し、幾多の建築物を世に送り出しています。

[余談]
ここまでページをご覧くださった方々、少し余談ですが。ここに掲載しているような建物が、現在設計され建築されることがもしあれば、・・・・秋の夜長の夢か、幻か、「馬の背に乗って走るキツネ」を視た人の幻想の物語の中で設計され、月夜の夜のみオープンする貴金属宝飾店喜多村、正装した紳士とドレスの女たちで、にぎあう社交場・・・・そのようなロマンを体感できたらいい
なぁ・・・と思いこのページを公開しました。 2004・11・17 管理人記す。
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