アメリカ見聞録6
続 絶景の国アメリカ Breathtaking Landscapes
in America 2
今回のアメリカ行でどうしても見たかったところの一つがthe Mississippi
Riverだった。Ol' Man Riverユ(父なる河)と呼ばれてアメリカ人にはひときわ親しまれている河であり、Mark
Twainの小説の中でTom Sawyerや Huckleberry Finnが活躍した舞台でもあるので君達にも馴染みがあるだろう。この河はDeep
South(深南部)と言われる地域を流れ、slavery(奴隷制度)の時代から多くのblack slaves(黒人奴隷)の嘆きや悲しみを見てきた河としてLangston
Hughesの詩など様々のblack literature(黒人文学)の作品に登場する。
このthe Mississippiを中心に南から、New Orleans, Memphis, Saint Louis,
Chicagoを中心にJazzやBluesが黒人のnative soundから生まれたと言われている。なかでもDeep Blues
は黒人の深い哀しみを現す音楽として今も聴く者の胸をうつのである。ちなみにR&B(リズムアンドブルーズ)などはこのBluesの流れを汲むのだが、極めて明るいトーンに変化し誰にでも受け入れやすいようにcommercialize(商業化)されてきた音楽と言えるだろう。
The Mississippiと共に何となく郷愁を誘うのがsteam boat(蒸気船)である。船尾に大きな水車のような羽根をつけ、それを推進力にして進むsteam
boatの姿がいつしか僕の脳裏に焼き付いて故里の原風景のようになっているのかも知れない。Saint LouisあたりからNew
Orleansへsteam boatで下りたいと思って色々と調べてみたが1000km以上に及ぶ長距離の船便はないようでこれは断念せざるを得なかった。もっとも後に、New
Orleansで半日のcruise tourで念願のsteam boat モNatchezモ号に乗る事は出来たのだが。
このNatchez号はFrench QuarterのJackson Square近くの船着場から観光客を乗せて毎日2回ほど出航していてthe
Mississippiを遊覧している。かなり大きな船で船内はJazz BandがLive performance(生演奏)をしている。興に乗った若い学生達がなんとJiveを踊ったりしている。Deck(甲板)に出ると真夏の太陽が照り付け実に暑い。New
Orleansの夏は大阪の夏のようでじっとりと蒸し暑い。The Mississippiの川幅はそれ程広くないが、水深が最長で64mもあるというほど豊かな水量を誇り、さすが世界第3位の迫力十分である。(1位と2位は何処でしょう?)そこをNatchez号は時々耳を劈く汽笛を鳴らしながらゆっくりと巡航するのである。