アメリカ見聞録5

絶景の国アメリカ  Breathtaking Landscapes in America

今回はアメリカのlandscapeについて紹介しよう。Landscape(風景)と言えば何と言ってもやはり、Grand Canyonに代表される壮大な規模の大自然の風景が思い出されるだろう。そういう風景を目の当たりにするとやはりアメリカという国の大きさを感じる。20年以上前にコロラド峡谷を機上から見た時にも国土の規模の大きさや、自然の偉大な力に感じ入ったものだが、今回もMesa Verde(緑の大地)国立公園をはじめ、Rio Grandeの大峡谷などAwesome View(畏敬の念を抱くくらいに素晴らしい景色)にめぐり合う事ができた。
 Mesa Verdeというのは、緑の台形というのが原義であるが、Anasazi(アナサージ)と呼ばれるアメリカ先住民が深い峡谷を利用して1200年から1276年頃にかけて作った住居跡が保存してある国立公園でNew Mexicoとの州境近くのColorado州にある。数カ所に散らばって残っているRuins(廃墟)はSpruce Tree Houseとか Cliff Palace 、Balcony Houseとか名前がついていて、切り立った崖にはladder(はしご)などが掛けてあり、Rangers(森林監視隊員)のguideに従っていくつかのruinsをまわるtourが用意されている。
 Breathtaking view(息を呑むようなすごい景色)とはまさにこの事。住居にはKivaというsacred place(聖なる場所)があり、色々なceremonyが行われたそうだが、決して彼らはその内容を語らないという。地形を利用して外敵を防ぐ工夫なのだろうが、それにしてもこのlandscapeは凄い。それでもAnasaziは何故か15,6世紀頃ここを捨てたと言われている。高度が3000m以上のため急いで坂を登ったりするとやや苦しかったが、好天にも恵まれてspectacular viewを見るには絶好の日だった。
 アメリカでは日本にはない大自然の荒々しい風景が他にもいくつかある。なかでも今回珍しく思ったのは西部劇でお馴染みの砂漠の中に切り立つ岩山の風景だった。Monument Valley(記念碑の谷)と名付けられたこの風景は初めて見たにもかかわらず何か懐かしい感じを抱かせるものだった。

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