元アメリカ大統領のジミー・カーター氏の妹である
ルース・カーター女史は、アメリカのカリスマ運動の女性
指導者の一人であったが、彼女はまた「内なるいやし」の
エキスパートであり、このルース女史こそが、兄ジミー・
カーター氏を大統領に押し上げた陰の力であったといわ
れている。
カーター氏は、最初の選挙でもあったジョージア州の
知事選挙で敗北し、挫折した。彼は多くの借金をかか
えた上、病に倒れてしまったのである。この時、妹の
ルースは兄を励まし、生ける神への信仰、すなわち、
カリスマ的信仰を教えたと言われている。そしてこれ
によりカーター氏は立ち直り、ジョージア州知事に見事
当選を果たし、やがてアメリカ大統領にまでなっていっ
たのである。カーター氏は歴代大統領の中でも、あの
信仰の人として知られるアブラハム・リンカーン以上に
敬虔な信仰者であったといわれている。
その時ルースは一つの事を思い出した。それは彼女が
少女のころの、ほんのささいな出来事である。彼女は
父親から溺愛されていた。父はルースに向かって、いつ
もお前は世界で一番かわいい娘だと言っていたのであ
る。ルースもまた、自分の父は世界中で一番素晴らしい
父だと思っていたのであった。ところがある日。ルースは
新聞を読んでいた父の背後から「パパ」と呼んだ。しかし
父親はおそらく新聞に夢中で聞こえなかったのであろう
か、返事をしなかった。彼女はもう一度「パパ」と呼んで
みたが、やはり返事をしてくれない。ルースには大変な
ショックであった。そしてこの時に、心に深いダメージを
受けてしまったのである。それ以来、彼女は自分はある
時点まではかわいがられるが、しかしそれを過ぎると大事
にされなくなるに違いないと思い込んでしまったのである。
この事が彼女の対人関係に対する怖れとなった。二度と
傷つきたくないという思いから、何事に対しても防御的に
なり、その結婚生活も破局的なところまで追いやられて
しまったのである。
しかし彼女は、カリスマ刷新の集会を通して救われ、
自分の内側に、傷ついた幼児を発見し、そして内なる
いやしを体験したのである。その後彼女はアメリカの
カリスマ運動の指導者の一人となり、溢れんばかりの
聖霊の満たしの中で、多くの人々に希望と慰めを与え、
ついには絶望のどん底にいた兄ジミー・カーターをも立
ち直らせて、彼をして大統領の道へと導いていったのである。
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