■手束正昭著「命の宗教の回復」より
           (キリスト新聞社刊)

   カリスマによるいやしと解放
          心のいやし−内なるいやしを体験していく道程    (3/6頁)

         元アメリカ大統領のジミー・カーター氏の妹である

        ルース・カーター女史は、アメリカのカリスマ運動の女性

       指導者の一人であったが、彼女はまた「内なるいやし」の

       エキスパートであり、このルース女史こそが、兄ジミー・

       カーター氏を大統領に押し上げた陰の力であったといわ

       れている。


        カーター氏は、最初の選挙でもあったジョージア州の

       知事選挙で敗北し、挫折した。彼は多くの借金をかか

       えた上、病に倒れてしまったのである。この時、妹の

       ルースは兄を励まし、生ける神への信仰、すなわち、

       カリスマ的信仰を教えたと言われている。そしてこれ

       によりカーター氏は立ち直り、ジョージア州知事に見事

       当選を果たし、やがてアメリカ大統領にまでなっていっ

       たのである。カーター氏は歴代大統領の中でも、あの

       信仰の人として知られるアブラハム・リンカーン以上に

       敬虔な信仰者であったといわれている。



   このジミー・カーター氏をボロボロの中から

  立ち直らせ、 もう一度生きる勇気を与えた

  ルース・カーターは、実は彼女自身が結婚

  生活の破局に悩み、ボロボロになったこと

  のあった人であった。彼女は結婚して間も

  なくノイローゼになり、自殺志願者にさえ

 




       なったが、やがてある友人を通してカリスマ刷新の集会に

       導かれていった。そして、彼女はそこで内なるいやしの

       カウンセリングを受け、そして、いやされたのである。

       そのカウンセリングは、祈りが中心であった。彼女の

       友人はルースのために祈り、その示された事を彼女に

       告げた。「今私があなたのために祈っていた時、幼い

       あなたが出てきて、あなたは泣いています」。


        その時ルースは一つの事を思い出した。それは彼女が

       少女のころの、ほんのささいな出来事である。彼女は

       父親から溺愛されていた。父はルースに向かって、いつ

       もお前は世界で一番かわいい娘だと言っていたのであ

       る。ルースもまた、自分の父は世界中で一番素晴らしい

       父だと思っていたのであった。ところがある日。ルースは

       新聞を読んでいた父の背後から「パパ」と呼んだ。しかし

       父親はおそらく新聞に夢中で聞こえなかったのであろう

       か、返事をしなかった。彼女はもう一度「パパ」と呼んで

       みたが、やはり返事をしてくれない。ルースには大変な

       ショックであった。そしてこの時に、心に深いダメージを

       受けてしまったのである。それ以来、彼女は自分はある

       時点まではかわいがられるが、しかしそれを過ぎると大事

       にされなくなるに違いないと思い込んでしまったのである。

       この事が彼女の対人関係に対する怖れとなった。二度と

       傷つきたくないという思いから、何事に対しても防御的に

       なり、その結婚生活も破局的なところまで追いやられて

       しまったのである。


        しかし彼女は、カリスマ刷新の集会を通して救われ、

       自分の内側に、傷ついた幼児を発見し、そして内なる

       いやしを体験したのである。その後彼女はアメリカの

       カリスマ運動の指導者の一人となり、溢れんばかりの

       聖霊の満たしの中で、多くの人々に希望と慰めを与え、

       ついには絶望のどん底にいた兄ジミー・カーターをも立

       ち直らせて、彼をして大統領の道へと導いていったのである。


     

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