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      3月10日(水) [移植当日]

 朝はそれほど気分が悪そうではなかったが、洗濯に行っている間に一人で洗面器に吐いていた。その後も、少しぐずっていた。うがいし、ウルソを服用させたと思ったらすぐに吐いた。後はすっきりしたらしく、薬のタイミングが悪かったようだ。

 吐き気止めの薬(ゾフラン)が入った後、再服用し、吸入。次第にいつもの調子になっていった。体拭きと洗髪(髪の毛が臭いまま抜けたら嫌やろ〜? だからいい匂いにしておこうと言って洗う。本人が兄と同じく今後抜けていく髪の毛をもって帰るというので)。その後ゲームを始める。といっても付き添いの母親が文字を読んだり操作の手伝いをしなければひでくんはゲームが出来ないので、おとなしくさせるためにかなり頑張らなければならなかった。
 私(父)は12時ごろ病室へ。12時半ごろ、移植チームの医師より、14時から移植をはじめるとの連絡をもらう。13時半、溶血対策のハプトグロビン注入。14時に終わる。
 14時10分、蓋と取っ手が白の赤いクーラーボックスを持って主治医が見せにこられた。無事提供されたんだ!と少し感動。「少しおまちください」との言葉を残して移植の準備に去る。
 14時45分、濃い紅色の液体の入ったバッグ(骨髄だ!)を持って移植チームの先生方3名が来室。輸血のように輸液スタンドに骨髄の入ったバッグを掛ける。そのルートの先端にある太めの針を赤い方のルートのプラグに刺しこみ、医療用の布テープでぐるぐる巻いて固定。プラグのない太めの針を使うのは、骨髄の細胞を壊さないため。
 直後に、点滴のつながった白い方のルートの枝からアレルギー対策の薬(アタラックスPとソルコーテフ)を注射器で入れる。14時50分ごろ作業終了。

 大量の血液が駄目ななさけない私はこのあたりで限界になり、3分ほど席をはずす。戻ると主治医が来られていた。骨髄液は輸液ポンプを使わずに、1時間に50mlのペースで身体に入っていくようにしている。本当に濃厚な冷たい感じの紅い色だった(赤ではない。ほんの少しとろっとしていて、薄めるとピンクっぽくなるような気がした)。本人と同じO型だったので、鮮度を落とさないため、赤血球を取り除くなどの処置をせずにそのまま輸血している。300ml頂いたので移植完了には6時間ぐらいかかる計算になる。血液型が違っていたら、必要なものだけを取り出して移植するため、こんなに時間はかからないという(但し鮮度は落ちる)。ドナーの方に大感謝。

 受け取りに行った主治医によると、朝9時から採取を始めて11時くらいに採り終えたらしい。一度細胞数を測って少なかったようで、追加で再度とりなおしたらしい。ありがとう、と顔の想像できないドナーの方に心の中で何度もお礼をした。新幹線で移動されたとのこと。乗り過ごしや置き忘れのないように緊張して運んでこられたという。「あとは祈って待つだけですね」と今度は私が言うと、大きく頷かれてから退室された。(つづく)

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