短期集中連載!

デスカノン
第八話


  「しっかし、大切なことを忘れているような気がしないでもないんだが……」
 腕を組んで考える。
 とりあえずは、昨日の晩ご飯の事とか、遅刻しそうになって朝駆け抜けたあのすがすがしい公園のジャングルジムの事とか……。
 「あぁ、素敵な朝だった」
 遠くを見つめる。
 この時点でもう何かを間違えているような気がするが気にしない。
 もちろん片手に収まっているデスクリムゾンが変化している事などに気付くはずもなく、北川は遠くを見つめていた。
 「ねぇ?今がチャンスじゃない?」
 「焦ったら負けだ。広瀬」
 「このチャンスを逃すの?住井」
 「ここは冷静にしておいた方がいい。な?ジュン」
 「まぁ、それが正当かな?詩子さんは」
 「えー私は、茜ちゃんと一緒に出た方が出番が……」
 ガギッドガッズパーン!
 同時に攻撃をされる少女。
 「お前!そんなヒロインにくっついたようなだけのキャラで終わるつもりかっ」
 「そうよっ。このSSでこそ、目立つんだから!」
 「僕はどっちでもいいけどね」
 ドガガガッ!ばちーん。
  2人目。
 「お前は、チョイキャラのくせに、人気があるからキライだ。ジュン」
 「そうよ。そうよ」
 そんな北川の死角から相談を交わしている4人組。
 まぁ、すでに2人は動かなくなっているが。
 怪しさ満点。
 この場に通りかかった人が110番通報しても誰も疑わないだろう。
 「私は行くわっ。そこで腰抜けさんは見てるだけでいいんだから!」
 飛び出す影。
 その目は主人公の立場を狙うサブキャラの瞳。
 「覚悟っ!」
 「ファンネルかっ!?」
 「ファネル言うなっ」
 北川はデスクリムゾンの引き金を引く。
 それと同時に乾いた音が響いた。
  …………
  ……………………………
  …………………………………
 しばらくの沈黙。
 そして何かが倒れる音。
 気づくと、飛び出した女ではなく、残った男が跪いている。
 「な、なんじゃこりゃぁ!」
 「住井!」
 撃たれた男にかけよる少女。
 しかし、もう撃たれた男はぐったりとしていた。
 「や、やられちまった」
 「住井っ住井っしっかりするのよ」
 「あぁ、もう俺はダメだ……目の前が真っ暗だ」
 「住井!」
 「お前らと一緒に主人公クラスの話がしたかったぜ……」
 「住井!住井ぃぃぃぃっっ」
 泣き崩れる少女。
 「あーウザイ」
 再び聞こえる銃声。
 そして重いモノが倒れる音。
 「ヒロインへの夢が……」
 「ふんっ。所詮はサブキャラどまりと言うことか。俺のようにはなれまい!この北川の様にはなっ」
 その姿は主人公というより、悪役と言った感じだが気にしない。
 いっつポジティブ!
 北川を止められるモノはもういないのである。

  残り人数 1人

 
※ちなみに今回の挿絵(?)制作時間、実質5分(爆笑)


つづく


是非是非是非是非ハベラさんにご感想を(笑)
ちなみに杉菜は内容に関与しておりません(笑)

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