短期集中連載!
デスカノン
第四話
「つまらない時間を過ごしてしまった」
デスクリムゾンを静かにおろす。
何か銃の形が変わっているような気がするが、細かいことは気にしてられない。
質量保存の法則とか考えている余地はないのだ。
「こんな事をしているうちにも香里は……」
ぐっと拳を握る北川。
が、肝心の薬をどこで探すかなんて考えてはない。
「むー困ったなぁ」
片手をあごに添え考えながら歩く。
もちろん視線は空。
薄く広がる青。
その向こうには……
が、そんな上を向いて歩いて、しっかり歩ける訳もない。
どん!と目の前に衝撃が走る。
思いっきり人にぶつかってしまったようだ。
「オゥノォ」
「って人にぶつかって、アンタそれだけ?」
ぶつかったツインテールの少女がこちらを睨んでくる。
しかし、それに負ける訳にはいかない。
何しろこっちはデスクリムゾン後継者北川なのだから!
「謝りなさいよ!」
「急いでるんだ」
「空を見ながらぼぉっとしてた人の台詞じゃないわよ!」
なかなか痛い所をついてくる少女である。
「それとも男だったら拳で語るって言うの!?」
「それがいい」
パン!
デスクリムゾンが火を噴く。
が、その弾丸は右下にそれていった。
「な、何するのよ!拳じゃなくて銃じゃない」
「はっはっは。馬鹿だなぁ。主人公が有利なのはどの世界でも一緒じゃないか」
「悟った口調で何極悪人みたいな事言ってるのよ!」
刹那、拳が繰り出される。
ツインテールの髪がふわっと揺れた。
「撃って隠れる!」
反射的に北川は壁に身を潜めてツインテールの少女の拳をかわす。
「反則じゃないの……ゲーム違うし」
「主人公だからいいのだ!つーかこっちには無敵時間ないし」
「滅茶苦茶言うわね」
あきれ顔の少女。
口からは大きなため息が。
「あーどこかの誰かさんと言い合ってるみたい」
「一応誉め言葉だろうと取っておこう」
「疲れる」
「はっはっは。そんな誉めても何も出ないぞっ」
「あーこのお気楽人間」
「世の中ポジティブが一番だぞっ」
笑みを浮かべる北川。
逆にその笑みを見て、再度ため息を吐く少女。
ついていけないといった感じだ。
「チョイキャラが主人公になったからって粋がって」
パン!
有無を言わせず、北川はデクスリムゾンの引き金を引いた。
狙いは、ずれていない。
直撃。
「え?」
「ふん!ヒロイン気取りがっ。サブキャラの大切さを知っておけ!」
パン!
再度銃声が響く。
「乙女道……極めたかった……」
どさりと重たいモノが倒れる音。
そして、北川の目線の先には生きているモノはもうなかった。
残り人数 9人
つづく
是非是非是非是非ハベラさんにご感想を(笑)
ちなみに杉菜は内容に関与しておりません(笑)
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