短期集中連載!
デスカノン
第二話
「……というのが、このデスクリムゾンと俺の出会いだっ」
「春はまだ先だ。狂うならもう少し先の方がいいぞ」
冷たい祐一の一言。
まぁ、こんな話を信じる方が狂っていると言えよう。
道ばたで倒れたオッサンを助けた引き替えに貰った銃が本物であったとかそんな話は。
信じたとしても、どう考えてもヤバイ話でしかない。
「ふっ。分かってないな。今回の主人公はこの俺!北川なのだ!サブキャラは遠くでほえてるがいい!はっはっは」
「ダメだ・・・イっちまってる。惜しい友人を亡くしたな」
大きくわざとらしい嘆息。
もちろん北川はそれに気付かず笑っているが。
「香里も大変だな。こんなのと一緒で」
「一緒にしないでくれる?」
疲れた顔の香里。
心なしか少しやつれて見える。
「アレのオモリで大変なんだから」
「二人とも、そんなに言ってちゃ北川君がかわいそうだよ」
「じゃぁ、名雪にあげるわ」
「え?」
額に汗。
「わ、私は祐一の世話で大変だから!あ、そろそろ部活にいかないとっ」
「逃げたわね……名雪」
教室を一目散に飛び出ていった名雪を羨ましそうに見詰める。
北川は、相変わらずマイペース。
祐一の姿もいつの間にか消えてしまった。
「薄情者!」
ドン!と机をたたく。
がその刹那、香里の視界が異様な形にゆがむ。
まるで別世界にでも飛んでいくかのように。
「あ、あれ……」
そして、北川のオモリでたまっていた疲労が一気に襲ってくるかのように、その場に倒れてしまった。
力を入れようにも、身体が上手く動いてくれない。
指先を動かすので精一杯。
はぁはぁと肩で荒い息をするのがやっとだ。
「ど、どうしたんだ!?香里っ」
馬鹿笑いをしていた北川も、ようやく状況に気付いたのか、香里に駆け寄る。
が、香里は口をかすかに動かすだけで、とてもしゃべれるような状況ではない。
「その吐息がちょっと色っぽい!」
おもいっきり睨まれた。
命の危険を感じる。
慌てて香里を担ぐ。
「ぐっ……こんな時なんだが、もうちょっとダイエットした方がいいぞ」
ばちーん!
無言で叩かれた。
北川の頬に真っ赤な手跡がつく。
どこにそんな体力が残っていたのか、疑問であるが。
香里をいったん保健室のベッドで寝かせると、邪魔になるからと保健室の先生にやんわりと言われた
『出ていけ!コノバカタレ』との温かい言葉を胸に保健室を跡にした。
「待ってろ!俺が薬を持ってきてやるからな!」
北川はデスクリムゾンを掲げ、そんな宣言を一人するのであった。
※KOT症候群・・・デスクリムゾンに出てくる原因不明の病
結局最後まで原因不明・・っていうか忘れられてるし(笑)
つづく
是非是非是非是非ハベラさんにご感想を
ちなみに杉菜は内容に関与しておりません(笑)
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