浩之の非日常(仮)
第三話
−月曜日A
「そんな・・・驚くこと無いでしょう、葵」
「いや、驚くだろー」
少なくとも日本人の感覚では驚くはず・・・あ、綾香はアメリカに居たんだっけな。そう最近のことでなくても。
「あ、綾香さんと・・・藤田先輩は・・・その、どういった・・・」
「ボーイフレンドよ」
嘘は嫌いな性格らしい。
「そ・・・そうですか・・・」
葵ちゃんは何やら納得したようだ。そこへ、
「−浩之さん」
「ん?何だセリオ」
「−今朝冷蔵庫を見たところ、夕食の材料には少し足りない様です。食材の買い出しに−」
あと2、3日は大丈夫のつもりだったが・・・朝食の人数が増えたからな。
「じゃ、行こうぜ」
「−えっ?」
少し戸惑うセリオ。
「あ、買い物〜?私と姉さんも行くわ、行きましょ行きましょ♪ホラホラ、葵もっ」
「あっ、・・・夕飯だったら・・・私も・・・」
とあかりも言い出す。
「だーったく・・・こんな人数で商店街ウロつけってーのかよ?買い物くらいは出来るから。それに・・・」
「それに・・・?」
と綾香。
「何より、男オレ一人っつーのが一番バランス悪い」
「あ、ナルホド♪」
成る程・・・って、今更気づくことじゃねぇと思うけどな。
「じゃ、あかりに葵ちゃん、またなっ」
「あ、はい。また同好会の方に顔を出してくださいね、藤田先輩!では、綾香さんも来栖川先輩に神岸先輩、セリオさんも今日は有り難う御座いま
す!」
と丁寧にお辞儀。
「そんなかしこまるコト無いわよ葵〜」
「いっ、いえっ」
談笑。
「じゃぁ、オレらも行くぞ。セリオ、行けるか?」
「−はい、しかし・・・」
「浩之〜?お金有んの〜?」
「そーゆーコトか。悪ぃ綾香、くれ」
「貸し・・・じゃないの?」
「オメーも食うだろーがっ!」
「はいはい・・・解ったわよぅ」
取り敢えず軍資金ゲット。
「こんでいいのか?セリオ」
「−はい、特に問題はありません」
「じゃ、行くか。ホレ綾香、ウチの鍵だ。じゃぁ先輩、行ってくるぜ」
「いってらっしゃーい」
「・・・・・・・」
てくてくてく・・・
てくてくてく・・・(買い物中)
「サテライトサービスって、そんなんまで出来るのかー」
「−はい」
「なー、セリオ」
「−何でしょう?」
「マルチって、どうなったんかな?」
それとなく振ってみた。アイツが本当にどうなっているのかが気になったからだ。
「−研究所で・・・次期開発のためのデータとして保管されています・・・」
セリオの表情が曇る。感情が無いなんて、そんなコトは無いとオレは思う。姉のマルチをこうやって案じるのだから。本当に、ロボットだからって区別す
る必要なんて、あんのかな?
「−でも、長瀬主任が−」
「何だ?」
「−近々、芹香お嬢様をマスターとして書き換えるそうです」
「それって?」
「−芹香お嬢様のメイドロボとして働くことになります」
『ズコー!』
コケた。
「−どうかなさいましたか?」
「いや・・・お前知ってて言ったのか?」
「−はい」
参った、感情が無いなんて勿論ウソだし、演技まで覚えやがった。長瀬のオッサン、大したモンだぜ。
「ただいまー・・・っと」
「おかえりなさ〜い」
「・・・・・・」
「おぉ、出迎えご苦労ご苦労」
「−ただいま戻りました、綾香お嬢様」
・・・・その後はセリオに調理を任せてワイワイと。
「浩之がやんなさいよっ!」
「いや・・・オレ下手だしなぁ、オレだけ食うなら別だけどよ。一応客が居るからなぁ」
「それもそーね、浩之って料理下手だったんだ。じゃぁ次は料理で勝負が出来そうね〜」
「チガウだろーが」
「・・・・・・・・」
「え?”これを入れると美味しくなります”って先輩っ、あーっ!」
一家団欒・・・とはいかないが、いつもと違う晩餐。そして夜は更けていく・・・。
「ところで、部屋割りどうするの?また浩之と姉さんで一緒の部屋?」
「あ・・・・・どうするよ?」
「・・・・・・・」
「”一向に構いません”って?・・・マジすか?」
つづく
筆者コメント
拙い文章で見苦しいんですが、いちお処女作ってコトになってます。PC版はイインチョと先輩、PS版は来栖川女史両名に葵ちゃんしかやってません。だったらSS書くなってカンジでしょうけど、ご勘弁を(^^;;;)
ペースは不定のまんま、ズルズルとやってきます。いやぁ、『ズルズル』とは表現がアレですが。
感想等、カミソリでも何でも送って下されば幸いです。カミソリは幸いじゃねぇか。
akkun.s@nifty.com
HP持ってますがSSとかは置いてません。でも一応、
http://homepage1.nifty.com/akkun-02/
です。ではまた、ごきげんよう♪