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24 第24作 MW-56 マリオブラザーズ

発売日 昭和58(1983)年3月14日
マルチスクリーンシリーズ
本体色 ワインレッド
発売価格 6,000円
中古品参考価格 5,000円
(中程度、本体のみ)
 
 
☆ 任天堂看板兄弟初の主役タイトル
 
 今でこそ日本のブラザーズを代表する有名人、マリオ&ルイージですが、初登場したドンキーコングでは救助マンなんて変な名前つけられるわ、次に登場したドンジュニでは座ってるだけの悪役させられるわと散々な下積み時代を送っておられます。ちなみに前作ドンキー2では立ちっぱなしのアラームキャラという苦行を強いられていました。
 その甲斐あってか、今作でついに主役の座を勝ち取ったのでした。しかし、そんなデビュー作も決して華やかなものではなく、やっぱり苦行の連続なのでした。
 
 
☆ 見た目違和感ありありの左右マルチ
 
 苦行がどんなものなのかは次項でお話しするとして、まずはその見た目の特異性について。
 マルチスクリーンシリーズは、縦に開き上下に画面があるものが一般的でした。
 しかし、このマリオブラザーズだけは違います。何と、横開き左右画面なんです。これは、国内で発売されたマルチスクリーンシリーズでは唯一の横開き左右画面となりました(海外向け商品では本作の他に2作あります)。かなり違和感あります。
 コントローラーも、左右それぞれに縦1本ずつあるだけ。ミッキー&ドナルドで縦についた上下コントローラーと同じものです。右画面、左画面の兄弟をそれぞれ上下に動かすだけです。
 こんな見た目変なマリオデビュー作ですが、内容もビジネスマンの悲哀を醸し出すものなんです。
 
 
☆ 辛すぎる肉体労働、そしてパワハラ
 
 舞台はマリオ&ルイージが就職したビン詰め工場。ベルトコンベアにビンの箱を積み替える仕事が与えられています。
 工場では、空箱をマリオがコンベアに載せるところからスタートします。コンベアは上下5本もあり、下のコンベアに流れてきた箱を落とさないように上のコンベアに載せ替えます。左右画面の間を通るたびに空箱→ビン詰め→フタ→ラッピングがされていきます。最後はルイージがコンベアからトラックに載せ替えて、これが8箱揃うとトラックが発車し、めでたく出荷となります。
 箱を落とすとミスになるのですが、マリオ、ルイージそれぞれ鬼上司に、何しとんねんこのスカタンが!ていう剣幕でどやしつけられます。はっきり言ってパワハラやん。ゲームとはいえ社会の厳しさを身をもって教えてくれた兄弟なのでした。
 
 
☆ 特に秀逸な表現、満点の操作性
 
 最高得点999点、ミスクリアは300点、ミスクリア時にミスが無ければチャンスタイムで得点2倍という、マルチ以降同じ得点制に落ち着いています。
 得点パターンは2つです。
@ マリオ&ルイージが箱を移し替えると1点
A ルイージがトラックに8箱移し替えてトラックが出荷するとボーナス10点
得点パターンが単純で、ミスも移し漏らして箱を落とすパターンだけなので、ゲームとしては非常にわかりやすくなりました。
 操作も、右側の上下ボタンで右画面のマリオを、左側の上下ボタンで左画面のルイージを動かすだけです。箱を受け取る位置にいれば、兄弟が自分で箱を移し替えてくれます。さすがビジネスマン!働きますねぇ。
 操作性もいいですし、怒られるサラリーマンの悲哀や、出荷した後に一段落して休む2人の姿、トラックに6箱積んだ時点でトラックにエンジンかけてドライバーが待機しはじめるところまで、細かい表現が特に秀逸な一作だと思います。
 いやー、兄弟のデビュー作がこんなに名作だなんて。売れなかったけど。
 
 
☆ ポッカ?何それ?レモン??
 
 この日本向け唯一の横マルチ、売れなかったんです。ドンキー2よりはるかに面白いのに(個人の感想です)。
 その割には売れると見越して作り過ぎたパターンは、ドンジュニと同じ轍を踏んでいます。
 作り過ぎたマリオは、何と懸賞でバラ撒かれたようで…このマリオにはポッカ版と言われるバージョン違いがあります。バーミンのミズノ版ぐらい珍しいという訳ではないのが悲しいところで、このポッカ版、中古市場でやたら見かけます。外側の化粧板の上に、ポッカと書かれているだけなので、色もまったく同じ。やはり余ったマリオに印刷してバラ撒いたな…
 このファミコンやアーケード版よりも古い、正真正銘の初代マリオブラザーズ、その特殊な形も災いしたのか現在のゲーム機で復刻されていません。通常版でもポッカ版でもあまりお値段変わらずお手頃です。傑作をぜひお手元に!
 
 


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