GAME&WATCH


14 第14作 FR-27 ファイア

発売日 昭和56(1981)年12月4日
ワイドスクリーンシリーズ
本体色 ブルー
発売価格 6,000円
中古品参考価格 8,000円
(中程度、本体のみ)
 
 
☆ ゲームウォッチ初のリメイク作品
 
 ゲームウォッチ人気の礎を築いた、シルバー版のファイア。誰もが名作と認めるその作品を、ゲームバランスを調整したうえで昭和56(1981)年のクリスマス商戦を前にリメイク発売したのがワイド版ファイアです。
 前作は曲がったビルや動く炎など秀逸な表現はあったものの、救急車に乗せないと得点につながらないことや、ミスクリア制が無かったため、子どもには若干難しいゲームになっていました。
 前作が子どもにも非常に売れ行きが良かったことから、背景のカラーフィルム化やレスキュー隊員に表情をつけるなど、若年層向けにワイド版ならではの改良を加えました。更に、ワンバウンドで1点入るようになり、点数が入りやすくなりました。もちろん、200点・500点でのミスクリアを追加しています。
 アラームキャラクターは同僚隊員です。アラームする余裕あるなら人助けしてくれって。
 
 
☆ 点数は入るが簡単ではなかった
 
 特筆すべきはGAME Bでしょう。GAME Aではビルの4階からのみ人が飛び降ります。しかし、GAME Bではこれが何と3階からも落ちてくるのです。しかも「おりるぞー!」みたいな間を取ってくるので、パニック感がAの5倍ぐらいあるんじゃないかと思います。これのおかげで、せっかく点数が入りやすくなって最高得点999点が見えるかと思っていたのに、Bでは逆にシルバー版よりも難しくなったような気がします。まぁ、パラシュートとシェフでタイミング外しは訓練されているので何とかなりましたが。
 
 
☆ 結局リメイクはどうだったのか
 
 この年のクリスマス商戦、ファイアをラインナップに追加した訳ですが、結果はどうだったのか。それはもう男子は大人気のオクトパス、女子はミッキーマウスやポパイだったようです。本作は割と多くの人がシルバーシリーズで持っていましたから、同じゲームを新たに買おうとは思わなかったんでしょうね。
 見た感じシルバー版のファイアとそっくりですし、ミスマークも天使ですし、かなり共通してますね。面白いのが、炎が背景として赤く印刷された代わりに、煙がモクモク液晶で動くようになりました。うーん、前作の方が危険な火事っぽい。
 
 
☆ ワイド版ファイアは高騰気味
 
 本作は前述の通り、あまり売れなかったようです。しかし、名作には変わりないため、ワイド版の需要も多くなっています。中古市場においても高騰し、本体のみでも8千円程度する状況が続いています。割に美品が多いので、思い切って買ってみるのもいいと思います。私も高値で思い切って買いましたが、結局お気に入りのシルバー版しかやっていません。
 そうそう、どこかのサイトに「ワイド版ファイアには青色と緑色の2色ある」との記載があるそうです。
 このワイド版ファイア、なぜかとても変色しやすく、青緑色に変色した本体もよく見かけるんです。そういった本体を分解してみると、表面は青緑色に変色した本体も、裏側はしっかり青色していることが多いです。
 ということは、緑色のファイアがあるというのは変色したものを緑色のファイアだと見間違えた可能性が高いでしょうね。
 
 
☆ 本作以降ブームが低速
 
 本作発売後のクリスマス商戦以降、ゲームウォッチブームは一旦下降線をたどります。ゲームがマンネリ化したことや、オクトパス以降のヒットに恵まれなかったこと、他社の携帯ゲームのヒット(「モンスターパニック」や「パクパクマン」など)もあり、本作以降に発売された後期ワイドスクリーン3作の売り上げは不振に終わります。
 思えばこのファイアあたりから任天堂の模索が市場の評価とシンクロしなかったのでしょう。とはいえ、ファイアも含めこの冬の時代のワイド版は名作が多いです。次作以降も、名作たちを熱く解説させていただきたいと思います。
 
 


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