京都パスカルと『遊々サイエンス』  
  
 
  私たちは理科の教師ですが,昔から自然科学の楽しさを実感してきました。そして,授業はもちろん,クラブ活動や家庭でもできる本質的で楽しい観察実験を工夫してきました。こういう仲間がなんとなく集まったのが「京都パスカル」です。
 
京都大会ナイター

ナイター講演を行った京都パスカル
於:科学教育研究協議会「京都大会」

  京都パスカルは,当初から代表とか責任者といったものがないだけでなく会員というのも定かではありません。誰にも気兼ねすることなく,お互いが対等の立場で自由に本質を追求したいからです。従って,どなたが「京都パスカル」と名乗っても結構ですし,「京都パスカル」というブランドの使用も自由です。もし問題が起これば,「京都パスカルなんて知りませんねえ。」ということにします。
  こんないい加減なサークルですが,名前が役立つことがよくあります。各種研究会に参加するとき,団体名が必要なことがままあるのです。そんな時,気軽に使えるのです。なお,代表署名が必要な時は,偶然,受付の前にいたメンバーがします。
  会の連絡は,必要な時にしたくなった人が,興味を示していただけそうな方にします。そして,忙しかったりいやになったら活動を忘れています。通信の郵送が手間で費用もかかりますが,電子メールやホームページの利用で,楽になってきました。
  こんな「京都パスカル」ですが,「学問の自由は,これを保障する。」 という民主的な教育の本質を私たちなりに表現しているつもりです。興味のある方は,気軽に声をかけてください。どなたでも自由に参加できますし,会費もありません。

※この文章は,私が自由に書いています。他の仲間が書くと,また違ったものになります。それでいいのです。
  柴田公平先生が,京都パスカル「人体解剖図」を作成されました。   京都パスカル「人体解剖図」(←クリック)

  「遊々サイエンス」(新生出版)を出版しました。内容は子供たちへの楽しい理科のメッセージです。
遊々サイエンス   絶版『遊々サイエンス』 (新生出版)

  主に,中学生の読者を対象とした身近で安全に楽しめる「科学実験や観察(51テーマ)」を厳選して掲載しました。地元の京都新聞に1年1ケ月にわたって連載していた記事を元にした関係で,親しみやすい優しい表現での執筆となりました。結果,小学生から大人まで楽しんでいただけるものと思っています。
  もっと詳しく知りたい場合や,内容でわからない部分があれば,電子メールなどで連絡してください。

※新生出版社が事業をやめ,絶版になりました。
   残部がわずかにあり,「図書館などに寄贈」(←クリック)できます。

(←書評は画像をクリック)


『遊々サイエンス』内容紹介(もくじ)
★標本と生き物たち (生物と標本)
1.電子レンジで押し花 −あっという間に植物を乾燥−
2.重ソウで葉脈標本 −台所でつくる葉脈標本−
3.水耕栽培 −土がなくても花が咲く−
4.コップの中の微生物 −栄養剤で微生物の培養−
5.台所で解剖 −解剖して考える魚の生活−
6.せきつい標本 −鶏ガラで脊椎を調べる−
7.森の豊かなめぐみ −ドングリを食べる−
8.人とメダカ −野生のメダカを求めて−
9.アユの食事 −釣りをしながら自然と対話−
★大地で見つけた (地形と地質)
10.絶景かな!京都 −空から見た故郷−
11.河原で見つけた −現代に残る都会のオアシス−
12.わんがけで鉱物採集 −料理用ボウルを使った比重選鉱−
13.海岸の砂鉄 −砂浜で見つけた鉄のルーツ−
14.磁石の不思議 −天然磁石をもとめて−
15.海水を調べる −海水を煮詰めて塩を取り出す−
16.自然観察紀行 −自分の目で見よう,体験しよう−


★大気と大空 (気象と天体観望)
17.気流に乗って −上昇気流で空を飛ぶ−
18.雲をつかむ −雲の中で観察−
19.大気圧パワー −大気圧を実感する−
20.富士山頂で実験 −沸点と気圧の関係を調べる−
21.暮しの中の気象 −お天気は身近な地球物理学−
22.星空のもとで −深夜の天体観望−
★食品でサイエンス (台所の科学)
23.砂糖の大結晶 −机の上で観察する氷砂糖の成長−
24.べっこうあめ −砂糖菓子をつくってみよう−
25.あっと豆腐 −健康飲料で豆腐づくり−
26.赤いヨウ素反応 −意外なところに,いろんな種類のでんぷん−
27.植物ホルモン −未熟な果実を甘くする−
28.スーパー学習 −身近な食品から考える自然と私たち−
★かくれた特徴探検 (分析と見えない力)
29.色水で探検 −指示薬で調べる酸とアルカリ−
30.環境とpH −pHメーターの活用−
31.クロマトグラフィー −混合物の成分を調べる−
32.偏光板 −釣り用の偏光サングラスの秘密−
33.重さで量る −はかりで体積がわかる−
34.もっと冷たく −寒剤でつくる低温−
35.省エネ冷蔵庫 −熱を遮断する−
36.エネルギー −エネルギーを感じてみよう−
★ものの不思議を科学 (ものの特徴と変化)
37.アワだつ酸素 −オキシドールで酸素発生−
38.アワの正体 −サイダーの二酸化炭素を調べる−
39.炭素の力 −木炭から最新の炭素繊維まで−
40.火打ち石 −昔の火づくりを体験−
41.さびで守る −鉄を生かす昔の知恵−
42.なんでも電池 −デジタルテスターで電池探し−
43.ナスで染色 −野菜の色素で染める−

★いいもの作ろう (ものづくり)
44.シャボン玉 −大きなシャボン玉をつくる−
45.ジャンボカメラ −1枚のレンズでカメラづくり−
46.遠近両用虫めがね −遠くも近くもハッキリ見える−
47.電波をつかまえた −ラジオの元祖をつくる−
48.鉛のペンダント −金属をとかす−
49.鏡の輝き −金属の輝きと鏡づくり−
50.セメント再発見 −気付かなかった自然の恵み−
51.「中置き式」熱気球 −新工夫で安定して高くあがる−
★執筆者
  [赤穂庫太郎]  [井上典子]  [榎本扶久子]
  [大杉仁彦]  [梶 聡]  [勝方 浩]
  [小寺隆司]  [金剛晴彦]  [柴田公平]
  [杉原和男]  [中山 浩]  [西村俊治]
  [林 丈夫]  [平野 功]  [弘田恭一]
  [福井克行]  [吉川茂光]
  [大前菜奈美]
(イラスト担当)



《SUGIHARA  KAZUO》