初秋南東北点描
初秋南東北点描 18
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銀山温泉へ

山寺は期待から少し外れてしまった。駐車場のトイレで水をペットボトルに入れてみるがすごく汚い。水の確保は断念する。

もう昼は過ぎている。国道13号に戻り北上する。銀山温泉に「能登屋」を見に行くのだ。県道29号への分岐を目指すと道の駅「むらやま」に14時着。腹が減ってきた。山形といえば「板そば」である。今まで何件か板そばを食わせる店を見つけたが、ちょうど腹も減っているし、値段も観光地価格としては安いほうだ。

食堂のサンプルを見れば「だしっ付板そば」とあり、麺つゆ、漬物、とろろのようなもの、竹の子、そして板そばである。「だし付」って、「かつおだし」でもなければ「昆布だし」でもなさそうで、出された「板そば」は板に「盛られた」というより「散らされた」ただのそば。写真一番手前の赤い湯飲みのような器の中は、とろろ芋・きゅうり・しそ・その他を小さく刻んだものが「おちょこ」一杯弱である。浅漬けのような味。

少し食べてから、もういちどサンプルを見に行って、そうして席に戻って店員を呼び止める。


くらげあの、赤い湯飲みのようなものの中にある、細かく刻んだものは、どうやって食べるのですか。板そばというのは何か特別な食べ方があるのですか?
店 員えっ? あぁ、あ、だしっ。だしっですね。だしっはですね……
くらげダシ?
店 員ええ、あの刻んだものは“だしっ”て言うんです。ここらの名物というか、地元の食べ物ですね。それでご飯とかといっしょにみなさん召し上がるんです
くらげあぁ、ダシ・・・っ。(無理やり納得した顔)。ダシってあれは何なんですか?
店 員だしはですね、きゅうりとかシソとかなんだかとかかんだかだとかを細かくですね刻んだものです
くらげどうやって食べるのですか?
店 員そばと一緒に味わって召し上がってください。
くらげわかりました。。。


こんなチョロッとしたプツプツ浅漬けを「味わえ」ってか。もっと、器に半分くらいは欲しいわい。なんでこんな大きな器にこんな少しなんだ。そばだってただのそばじゃん。

ま、いいか・・・。でも板そばの板も本当のホンモノはもっと大きいんじゃないのかなぁ。それに僕が本当に食べたいそばは細くてツルツルしたそばなんだ、ホントは。

なお、「だしっ」について言及したブログなどはありますが、とりあえずここ


板そばを食した後、売店・みやげ物売り場あたりを徘徊する。「ゆべし」がある。試食してみるとクルミが多く入っていて大変うまい。「ゆべし」の横には「くじら餅」があり、試食してみると「ゆべし」と同じような味で少しやわらかい。販売のおばさんに尋ねてみると、「ゆべし」に上新粉を多く混ぜたものが「くじら餅」であるという。

それで、同じような味なのにどうしてわざわざ「ゆべし」とは別に「くじら餅」を作るのか、しつこく尋ねる。

「くじら」は「久持良」であって、「ゆべし」より長持ちするから「久持良」なのだという。ネーミングに感心してしまい、両方とも購入してしまう。買って気づけば「くじら餅」の方が早く賞味期限が訪れる。長持ちした上での賞味期限であるので仕方がない。硬くなったら焼いて食べろと言われているからそうしよう。