初秋南東北点描

初秋南東北点描 2

 BACK     MENU     NEXT 


仮眠から覚めるとやたら元気である。磐越道に乗り換えて会津若松を目指す。猪苗代湖畔 でキャンプしたいのだ。

奥会津の山々が見えてくる。遠くの山は青ではなく黒く薄墨の絵のような色あいである。水 蒸気が少ないためだろうか。いよいよ山深い国に来た気分である。

会津若松ICで降りると、もう真っ暗であった。まずインターを降りると健康ランドの大きな 看板が見える。気持ちがグッと引きずり込まれるが、ここで施設に泊まるのは堕落だと、心に ムチ打って猪苗代湖北岸・東岸・南岸を目指す。

標識に従うと北に向かいどんどん猪苗代湖から離れていく。あの巨大観音の裏を通っていく らしい。地図を見てないので不安になるが、すでに気分は捨て鉢になっている。寒い。かなり寒 い。市街地を離れると真っ暗である。これじゃキャンプ場がどこかも、どこにテントを張ってい いかもわからないや。

猪苗代磐梯高原ICに着くまでにはビジネスホテル泊を決意。郡山まで高速で移動し、駅前の ビジネスホテル泊。予定より遠くまで来たから「堕落」ではないことにする。

ホテル投宿すれば、すぐに浴槽に湯を溜める。ドボドボ音がしないようにシャワーホースで 溜める。好みの湯加減に仕上げれば冷えた体を湯に浸す。
  「フーッ!」
風呂から上がれば暖房を入れ、備え付けのポットで湯を沸かす。持参したコッヘルにインス タントラーメンを投入して食す。今日は12時間以上走って疲れた。居酒屋を探すことも思いつか ず寝てしまう。

朝、目覚めれば快晴である。郡山駅前など訪れる機会もあまりなかろうと写真を撮っておく(と前ページ)。


 BACK     MENU     NEXT