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      第三章

      一応のメンバーはそろった。
      かと言って三人ではバトルとか言うものはできまい。やはり何がしかの人数は必要であろう。六人
     は欲しい。
      知り合い、友人、後輩と名の付く連中はすくないながらもいる。まずは昔からの友達ってやつから
     探してみるか。馬戸、吉部、薬馬・・・うーん。三人しかいないし、しかも皆おじさんだし。20年程前なら
     なあ・・・いろんな事をしたもんだ。旅行、キャンプ、釣り。ビデオが無い時代だったから8mmカメラを
     買って映画やアニメを撮ろうとしたり、スケートしたり、漫画を描いたり。無趣味の割にはいろんな事を
     したよなあー。
       
      いやいや、いまはそんな事をいっている場合ではない。メンバー集めだ。あとは会社の連中か。皆
     のりが悪るそうだ。頭をさげてまでは来て欲しくは無いから、これは瓶野にまかせよう。私は飲み仲間
     でも誘う事にしよう。いやいやこちらこそ、のりが悪そうだ。というよりもこちらも年寄りばっかりだ。
      とりあえず雑誌アームズの募集欄に投稿してみよう、こちらの方が同じ趣味同士だしてっとりばやい
     かもしれない。それからと・・・矢路氏にもたのんでみよう。彼なら友達はいないだろうが、隠し子なら
     5,6人はいるに違いない。瓶野は・・・あれも友人が少なさそうだ。女好きはおしなべて男の友人が
     少ないものだ。

      ところでメンバーも当然必要だが、場所もいる。その辺の街中で撃ちまくってもよいのだが(良いわけ
     ないがな)やはりちゃんとしたフィールドが欲しい。どうやら大阪市内のインフィールドでBBなんたらという
     ところがあるらしい。ちょっと仕事の合間に見に行く事にしたが、結局判らずじまいであった。
      色々探したところ京田辺にある、かなり広めのフィールドにしょうということになった。日にちは
     2002年12月14日、討ち入りじゃあー。ということでその日に決めました。(作者はこういうしゃれ
     が大好きなもので)

      結局、初バトルでの参加者は5名となった。私こと輪島、瓶野、矢島の3人。そしてなかば脅迫して
     集めた、安谷屋電総の盛山と多仲の二人。瓶野の執拗な参加要請と、私の陰湿ないじめのおど
     かしが良とでました。さてバトル時の服装なんですが、その日までにはそろえようとコーナンで迷彩服
     を買い玩具屋の一塁と言う店で、ブーツその他の装備品も一応そろえた。だが、さすがに始めからは
     気恥ずかしいものもあり、私服で行く事にした。大阪市内までは電車で行くということもあったが。
     
      瓶野と難波で落ち合い彼の車に便乗して、フィールド岩に向かった。やはり初めてのことでもあるし、
     胸の高まりも多少はありうれしくもあった。2時間ほど掛かったが、それでもなんとか無事に着くことが
     出来た。
      11時30分に待ち合わせなので、20分ぐらいに着いたがやはりまだ誰も来ていなかった。
     昼飯でも食べようとコンビニで買った弁当を広げていると、奈良在住の矢島が駐車場に入ってきた。
     こういう瞬間というものは大変いいものだ。特に私はこの待ち合わせと言うのが好きだ。別れはきらいだ。
     悲しいから。
      瓶野が車から飛んで降り、矢島に挨拶に行った。やつめも内心では喜んでいるらしい。
     「まったあー?」
      矢島もニコニコしながら降りてきた。」
      私はこういう時は自分で言うのもなんなのだが、テレやなので意識して降りていかない。矢島が
     こちらにくるのを待っている。いやな性格だ。いつまでも子供だなと思うのだが、こればっかりはしょうが
     ない。しかし矢島は瓶野と話をしていてこちらにやってこない。やむをえずこちらから車を降りて挨拶に
     いった。
     「多仲くんは?」
      屈託のない笑顔をみせながら矢島が聞いてきた。」
     「まだやな。」
     「あとは盛山さんだけ?」
      見ればわかるやんけとも思ったが、こういう場面もまた楽しい。

      しばらくして多仲と盛山が別々の方向からやってきた。     

            第三章、終わり

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