夏の味覚と風物詩 
                    奈良県医師会 下里直行

 夏の味覚は、やはりビールと枝豆に尽きる。                                        
 ビールは、特別よく冷えた「アサヒスーパードライ」がよい。
 枝豆は、新潟県黒崎産の「茶豆」に限る。それも8月中頃に収穫されるものが格別にうまい。
 前日採れたものを保冷して、産地直送便で、翌日わが家に届く。
 茹でたときから独特の香りと甘みが台所に満ちあふれる。ひとたび口にしたら、その味は忘れるものではない。
 これを馴染みのカラオケスナックに持ち込み、気のおけない仲間たちとスーパードライをあおり、「茶豆」をむさぼる。
 そして私は、「松山千春」、「河島英五」、「桑田桂祐」を高歌放吟する。
 これが、私のささやかな夏の風物詩である。
 
     本稿は奈良県医師新報:2001.8(第595号)【平成13年8月T日発行】に掲載されました