ニュース 97/11〜98/01

・同志社大学経済学部の八田英二教授が、同志社大学学長に。八田教授は、産業組織論が専門で、大学卒業時、学者になるか公取委に入るかぎりぎりまで悩まれたと聞いています。昨年は研究会でもお世話になりました。1/31

・金融制度調査会「銀行グループのリスク管理等に関する懇談会」報告書がでました。独禁法に関わる部分では、報告書は、銀行グループが一般企業に出資する際に、原則として発行済み株式の5%を上限としている、金融持株会社グループの出資制限は15%だが、出資先の倒産による影響を受けやすいことから規制を強めるべきだとしたという報道があり、報告書が大蔵省のHPにまだ載ってないのでよくわかりませんが、持株会社でなく金融会社が直接他の会社を持つ場合のことをいっているのかもしれません。要するに、独禁法11条の規制を直接保有の場合には現行のまま維持するということかもしれません(大蔵省がいうことではないのでこの点気になりますが、報告書を見ればわかることですので、HPに載るのを待ちます)。1/30

・豊田商事国倍訴訟の2審判決がでて、公取委の法的責任について、「規制により被害を回避できる可能性もあったが、十分な調査をしなかった」と指摘しつつも、当時の資料だけでは規制を行うには不十分だったとして、「不合理な点もあるものの、著しいものとまでは言い難い」としたとか(不当表示を認定したという記事もあります)、NTTの関東圏の市内料金の値下申請について公取委が差別価格と示唆し、郵政省が反論、などの興味深いニュースがありますが、今、EC条約48条を勉強中で忙しいので、コメントはパス。日本製紙事件連邦最高裁判決がDOJのHPにまだ載らないということは、やはりサーシオレーライだったのでしょうか。1/30

・審決集43巻が手に入りました。審決でも、占有率リベート自体を違法としたものなど興味深いですが、平凡社不当廉売事件の1審判決、岐阜生コン共同ボイコット事件高裁決定は、おそらく初めて判例集に載ったのでしょうが、意義が大きいと思います。平凡社事件は2審はすでに判例集に載っていましたが、1審判決を引用していることや、判決のいう「不当廉売」の意味がわかりにくい点で、よくわからない判決でしたが、1審判決が公刊されてだいぶ手がかりがでてきました。1審は「いわゆる不当廉売として不法行為を構成するか」という問題に不法行為法や独禁法の観点から比較的わかりやすく答えていますが、2審はこれと違いどうも再販契約上の義務違反という意味で「不当廉売」といっているように見えます。岐阜生コン事件にも、共同ボイコットの議論を進める上で論争的な問題提起があります。宣伝になりますが、2つの判決の論点とも、拙稿「事業者団体の自主規制と独禁法」の注や昨年の判例回顧で触れたことがありますので、ご参照ください。1/27

・DOJのホームページに、規制緩和後の産業(規制から競争へ)、とくに電力産業における企業結合規制に関するKlein反トラスト局長のスピーチが載っています。競争法とは関係ないけれど、昨日のニュースステーションの久米宏によるいかりや長助のインタビューでは、久米宏の後頭部にばかり目がいってしまいました。ついでに、ニュースステーションの新解説者、従来と違うタイプだがどこかで見たことのある、むちゃくちゃ突撃タイプで好感が持てなくもない、と思っていたら、ああなつかしい、「ラブアタック」への出演の常連だったとかの噂。「噂の真相」はわかりませんが、なるほどと納得。ついでといっては失礼ですが、景山民夫が焼死。不審死?。1/27

・探しています:判例回顧の執筆のため、96年10月から97年9月までにでた判決・決定とそれ以前のもので紹介されていないものを探してみました。ざっとみたところ、シール談合事件課徴金審決取消訴訟(東京高裁)、エアガン事件(東京地裁、判例集未登載?)、花王事件(東京高裁)、日興証券損失補填事件(東京地裁)、平凡社事件(東京高裁)、アロインス化粧品事件(大阪高裁)、BBS事件(最高裁)、そのほかにそれ以前にだされ一度も言及されたことがないと思われる三件(麻布建物事件、ダイヤルQ2事件など)がありました。そのほかにご存じの方、伝言板、メールいずれでも結構です、教えてください。1/23

・マイクロソフトと司法省法廷侮辱罪の部分について和解しました。ただし、反トラスト法違反についての訴訟は継続しています。DOJのHPのプレスリリースに、Kleinの勝利宣言(?)(しかし消費者の勝利だと書いてあります)と和解文書(Stipulation and Order)のコピーが載っています。マイクロソフトのHPには小さな前進にすぎないと書いてあります。1/23

・最近届いた古書目録をチェックしていたら、稗貫俊文『知的財産権と独占禁止法』が12000円となっていました。94年発行で定価は4800円ですから、短期間にすごい値上がりです。ケイゼン・ターナー(根岸・橋本訳)『反トラスト政策』(神戸大学経済経営研究所)が昔すごく高くなっていてうれしかった記憶がありますが、私はもちろんどちらも持っています。1/22

・昨日の新聞記事だけではプレーステーションの勧告の内容がよくわからなかったのですが、今日、プレスリリースをみると、中古品の取扱禁止、仲間取引の禁止が、違法行為と排除措置の両方に入っています。再販(など)の手段とされたのでしょう。とすれば、ゲームソフトは頒布権の対象ではないという法律家にとってはおそらくきわめて常識的な判断、または仮に対象であってもこのような形での使用は権利濫用(23条については権利濫用という言葉が嫌いな研究者も多いようですが、正当な権利行使でないといっても言葉の違いなのでだけなのでしょう)になるという判断なのでしょう。非常に興味深くかつ重要な勧告です。1/22

・ソニーのプレーステーションの再販についての勧告へのコメントを期待されているような・・・。で、一言。勧告にはないようですが、ソニー等は著作権法上の頒布権を根拠に再販売(ライセンス?)を禁止し中古市場の形成を妨げていることを著作権法上、独禁法上どう評価するかが今後の問題ですね。ストーリー性のあるゲームソフトに映画と同様の頒布権があるというメーカーの主張の当否は知的財産権の専門家にお任せしますが、ただ、ゲームソフトが頒布権の対象かどうかは、頒布権の概念からの演繹的な考察も重要ではありますが、のみならず頒布権創設により著作権が保護しようとする正当な利益がこの行為により本当に実現されるかどうか、仮に実現されるとしてどれだけ実現されるか、目的達成の手段は相当か(目的達成のための社会的コストーたとえば中古市場が成立しないことによる新作市場の価格上昇の経済厚生効果ー、消費者の不利益)、LRAなどから考えるべきだと思います。ついでに、この事件と離れて、再販一般の問題ですが、カーン判決の最高価格再販は日本ではどうなるかですが、みなさんおっしゃるように、確かに先例はないが他の再販と同じ扱いとなるというのが通常の理解でしょう。ただ、最高価格再販は日本では事実上行われているのかもしれません。いわゆるダフ屋がいたり、「たまごっち」の販売でやみ取引市場ができ儲けたものがいるらしいことなどがこれを示唆しています。ダフ屋の行為は他の法規範により規制されているようで、ただちにダフ屋の排除が独禁法違反だというのではないです。また再販の証拠があるかは別問題ですし、これらは暴力団の収入源ということで、競争とは別の観点から規制するのは当然でしょうが。またこれらがカーン事件のいう正当化根拠である二重限界性の事例だとも思えませんが、どうなのでしょう。1/21 

・日本の独禁法についてのメッシェルの論文を発見。メッシェル教授(チュービンゲン大学、独占委員会委員)が、Zeitschrift fuer Japanisches Rechtの最新号(97年、第4巻)に「外国から見た日本の独禁法」という短い論文(8ページ)を書いています。実は見つけただけでまだ読んでないのですが・・・。1/20 その後、WuW (Wirtschaft und Wettbewerb)掲載論文の転載ではとの指摘を受けました。その通りでした。どちらにも転載だとの記述はないのですが。高橋さんありがとうございます。1/21

・外国に「公正取引」の記事をコピーしてメールで送る必要があって(相手は研究者で研究の資料として使いますから著作権法の問題はないと思うのですが)、スキャナーを使ってみました。ヒューレットパッカードのカラースキャナーScan Jet 4cです。公正取引掲載の中国競争法に関する最近の論文を検索し、96年の2件、合計約7ページ分をスキャナーで読みとり、テキストファイルに転換しました。所要時間は約15分くらいで、意外に簡単にできました。公正取引は横書き2段組ですが、題名や執筆者欄も含めて1ページ丸ごと範囲指定し、そのままテキストファイルに転換すると、題名、執筆者、各段落ごとに順番に読みとっていき、きわめてスムーズに終了しました。問題の文字の認識率ですが、日本語に関しては、99%以上正しく読んでいました。ただ、全角の英語は、半分くらい間違っていました。半角ならよかったのでしょうが。手直しも簡単ですので、ある程度長い文献を電子データにしたい場合、十分実用に耐えられると感じました。ただ、このようにして個人で新聞データベースを作るのは無理でしょう。毎日、新聞記事を切り抜き、スキャナーにかけるのは大変そうで、私はやりたくありません。だれか奇特な人がこの作業をやって、研究者に毎日メールで配布するといったことができればよいのでしょうが(奇特な人がいるかのほか、著作権の問題もクリアーする必要がありますが)。1/20

・公取委の著作物再販の報告書が、公取委のホームページの「新聞発表資料」欄に載っています。報告書の全文かどうかはわかりませんが、少なくとも報告書の本文に当たる部分は全文載っているようです。快挙ですね。この調子で、他の報告書や審決・排除命令もでた翌日には掲載、となるとうれしいのですが。1/14

・伝言板でSeryoさんからお書きになった、Microsoftの立入調査の被疑事実、適用条文の件ですが、今日の日経新聞朝刊に若干の記述がありました。OSとブラウザーの抱き合わせは、1)IEが無償提供されているので立証が難しい、2)IEのライセンス契約は米本社が直接行っているから、日本のパソコンメーカーからの働きかけがないと調査を始めにくい(わかりにくいですが、域外適用の壁ということではなくて、日本法人を立入調査する理由となりにくいということでしょうか)、今回はエクセル(こちらが抱き合わせ商品)とワード(被抱き合わせ商品)との抱き合わせ(正確には、ライセンス契約なので適用条文は抱き合わせではなく、排他条件付取引でしょうが、違法判断基準はほぼ同じなのでしょうね)を問題にしている、という内容です。抱き合わせの要件、独禁法の域外適用などおもしろそうな素材が多く、わくわくしますね。1/14

・米国の日本製紙事件(日本国内で行われた感熱紙の米国向け輸出価格カルテル事件)で、米国連邦最高裁は12日、上訴を取り上げず審理しないとの判断をした(certiorariをdenyした)ようです。これで、反トラスト刑事事件にも民事(非刑事)事件と同様に、(反トラスト法の域外適用において)効果理論が適用されるという巡回区裁判所(連邦高裁)の初めての判断が確定したことになり、重要な先例となります。これは13日朝にここに載せましたが、13日の夕刊には大きく取り上げられるでしょう。1/13 今日、公取委がMicosoftに立入調査に入ったそうです。それから、著作物再販の報告書もでたようです。今日は事件が多いですねえ。「再販制度は維持すべき理由が乏しく、基本的には廃止の方向で検討されるべきだ」としながら、文化、公共的観点から「直ちに廃止することには問題があり、関係業界が制度の弊害是正に取り組むべきだ」とし、公取委は報告を踏まえ、各業界が現行制度の弊害をどの程度改善できるかなどの意見聴取を行い、三月末までに結論を出すのだそうです。1/13

・FTCの新委員の件ですが、FTCの委員のプロフィール欄では、Orson Swinde、Mozelle W. Thompsonの二人の欄には、名前しか載っていませんでした。しかしプレスリリースの12月18日のところに、二人のかなり詳しい経歴が載っています。Swindel委員は財務関係の経歴もかなりあるようです。Thompson委員の母親のミドルネームがSuzakiとなっていますが、母親は日系なんでしょうかね(ファーストネームがBeikoというのがちょっと怪しげですが)。1/11

・久しぶりにDOJ(司法省)のHPのAntitrust Casesを覗いてみると、US v. Microsoft3に、今回の訴訟のために司法省が提出した文書が逐一(?)載っていました。すごい分量です。1/8

・FTCの委員5人中3人の交代について、Shingo Seryoさんが、伝言板に書かれています。ありがとうございました。FTCの委員の任期は7年と長く、DOJより政権交代の影響を受けにくいといわれていますから、将来に長く影響するでしょうね。シーラ委員の就任を含むクリントン政権の競争政策の人事刷新の記事は日経新聞の12月30日にあります。あとの二人はどこに載っているのでしょう。1/8

・と書いていたら、大雪になるそうです。TBSの昼のニュースを見ていると、なつかしの人魚姫が写りました。北欧なのにまわりは凍っていませんでした。海流の関係で暖かいのでしょうか。それよりも、かわいそうに、人魚姫に首がない!。人魚姫は女性蔑視の象徴だとかいう犯行声明がでたそうです。ちなみに、同じニュースを読んだお姉さんは、「参議院でしばらく押しボタン投票が導入されます」といったので、なんのこっちゃと思いました。どうやら「漸く」(ようやく)を「しばらく」と読んだようです。訂正されませんでした。1/8

・競争法とは関係ありませんが、八方の兎平で積雪40センチ、焼額60センチ、私が時々いく白馬岩岳はなんと25センチだそうです。オリンピックはできるのでしょうか。1/5

・民法テレビ局と番組制作プロダクションとの関係で、前者が番組の著作権、二次利用権を独占していることを優越的地位の濫用規制で規制していく方針、日本テレビはすでに二次利用権の見直しに入ったとの報道があります。昨年度の企業取引研究会の報告書はまだ読んでないのですが、ここで扱われているのでしょうか。優越的地位の濫用規制というかなり曖昧な規制について公取委の公的に近い考え方が示されたのですから、ちゃんと読まなければなりませんね。しかも著作権の成立の場面へ公取委が踏み込むとなると影響は大きいでしょう。1/5

・先のWTOのレポートの件について、SSさん(滋賀大学)から情報をいただきました。競争ルールに特化したレポートではなくWTOの年次報告(WTO Annual Report 1997)でした。Secretariat examines recent successes and future challengesで始まります。内容がちょっと包括的すぎるかなとは思っていたのですが・・・(^^; WTOのHP上には、プレスリリースしか載っていませんが、全文の入手方法も書いてあります。SSさん、ありがとうございました。WTOのHPにもリンクしました。12/30

・インターネット書店を試した報告です。外国の専門書を外国から直接(つまり安く)買いたい、しかしクレジットカードの番号をインターネットに送信するのは怖い、二重注文等のトラブルが起こっても面倒と二の足を踏んでいたところ、大学生協のHPから直接購入できるようになり(本人確認は組合員IDとパスワードのみ)、しかも米国発行の専門書リストもよくなったので、本を注文してみました。先週、注文していたAreeda & Kaplow, Antitrust Analysis, (5th ed. 1997)が届きました。正確な日数は記憶にないのですが、2ヶ月近くかかり、予想より少し遅かったという気がしますが(船便としては早いほうでしょうが)、この円安にもかかわらず料金も一応リーズナブルでした。ちなみに、以前、「Web 紀伊国屋」を利用して、公取委事務総局編『独占禁止法関係法令集(平成9年版)』(公正取引協会)を購入したことがあります。二重注文になり、取り消したりしましたが、すべてオンライン上で、ちゃんと応対してもらえ、2週間ほどで届きました。地方の人には便利だろうと思いました。ただ、年会費がそれなりにかかることのほか、大学関係者には、大学生協を通せば和書は1割引という点で、コスト的な問題がありそうです。再販制度は、生協の経営、インターネット書店の普及の両面でも、影響を与えているといえましょうか。12/30

・探しています:95年12月にEC裁判所が出したBosman判決(プロサッカーの移籍制限を労働者の移動の自由違反としたもの)に関する文献を探しています。現在、1996年にC.M.L.Rに掲載されたもの1件しか見つかりません。よろしくお願いします。m(__)m 12/29

・公正取引委員会『平成8年度年次報告』を入手しました。いつもながら丁寧に読むとおもしろいです。難をいえば平成9年3月末現在の情報というのが、技術的に仕方ないのでしょうが、残念ですね。人事欄をしっかり見てしまうのは年をとってきた証拠でしょうか。審決集43巻もそろそろでるはずですが、もうでているのでしょうか。12/29

・WTOの件ですが、Udoさんから新聞記事を見せてもらいました。なんとJapan Timesの12月20日号で、12月19日に2巻、353頁に及ぶレポートを公表したとし、内容の紹介があります。フィルム問題への言及もあるようです。レポートの原文をお持ちの方またはHP等での入手方法をご存じの方教えてください。12/29

・下記のNASDAQのクラスアクションで、証券会社31社のうち30社が24日、総額9億1000万ドルを支払う和解案に合意し、独禁法に基づく米国の民事訴訟では、史上最高額の和解金とみられている、と共同通信が報道しています(SSさんにまた先をこさえました(^^;)。まだ1社残っているようですが。12/27

・98年度の中央省庁別国家公務員定員が決定され、内閣が7人、国土庁1人、環境庁6人のほか、公正取引委員会が7人増員との報道です。12/27

・ドイツの競争制限禁止法改正(市場支配的地位、企業結合規制関係の大幅改正です)は、8月にドラフトが公表されています。連邦カルテル庁のHPには、もっと古い資料しか載っていませんが・・・。12/27

・公取委事務総局編『独占禁止政策50年史(上)(下)』(公正取引協会)を入手しました。2巻で、(上)は本編、(下)は資料編です。さっき手に入れて、これからじっくり読んでみたいと思いますが、ざっと全体を見ると非常におもしろそうでわくわくします。正田彬教授の座談会がおもしろいと聞いていたので、とりあえずこれだけ読んでみましたが、独禁法制定の初期と52年改正時の話は実にオープンなそして重要な歴史的証言です。ほかの座談会も魅力的です。そういえば、正田教授の独禁法コンメンタールのもとになった峰村教授と共著の本は(本当は正田教授の単著だと書いてあります(^^;、693ページ)、正田教授が和歌山大学に勤務されていたとき、大阪の堺から天王寺の夕陽丘図書館に通って執筆されたと聞いたような・・・。12/25

・競争法とは関係ないけど、大学ラグビーで関西勢、69対18で早稲田に圧勝! 12/24 ふつうは早稲田を応援するのではないかとご不審の方は、それは西日本の常識ではありません、のみならず私には特別の思い入れがあります、ここをクリック

・未確認情報ですが、WTOの統一競争法のドラフトがすでに公表されたか、ここ数日のうちに公表されるようです。ゲッティンゲン大学のドクトラントであるUDOさんから聞きましたが、詳細情報ご存知の方教えて下さい。12/24

・米店頭株式市場NASDAQの手数料カルテル事件でディーラー証券会社20数社に対するクラスアクション(集団訴訟)で9億ドルを支払って和解するよう交渉を進めていると、ウォールストリート・ジャーナル紙が報道しています(19日の報道だけど)。12/24 本件についてはここをクリック!、「カルテル・談合・事業者団体」の2)で簡単に触れています。村田淑子さんが「公正取引」に解説を書くはずですが。

・マイクロソフト事件の連邦地裁の仮決定は、米国のいくつかのHPに全文が掲載されています。リンクページの金沢大学HPからいって下さい。

・デジコン(エアガン)事件で、10月の事業者団体会長に続き、12月に事業者団体とも和解が成立したとの報道があります(このニュースの発見はSSさんに先を越されました(^^;)。事業者団体の自主規制の許容範囲、安全と競争制限、8条1項1号の解釈(とくに公共の利益要件の欠如との関係)について1審判決が重要な判断をしただけに、本件が1審で終わるのは惜しまれます。12/21

・水道メーター談合事件で、東京都が42億円の損害賠償訴訟を提起するとの報道があります。刑罰、課徴金、損害賠償(不当利得返還請求)というトリプルパンチは、刑事事件となった事案では今後一般になるのでしょうか。ところで、トリプルパンチといえば、社会保険庁シール談合事件で、不当利得返還請求訴訟の一審判決がもうすぐ出るのでしょうが、同事件の課徴金事件東京高裁判決は、不当利得返還訴訟と課徴金の併科について、審判審決ほど割り切らないで解決を民事訴訟に委ねているか、そこまで行かなくてもニュアンスが違うように見えるのですが、いかがでしょう(この点「今後の予定」欄の原稿を参照下さい)。そこで疑問は、1)民事訴訟は根拠条文を703条、704条のいずれにしたのか、2)なぜ不法行為でなく不当利得としたのか、原告(国)にとってどこにメリットがあるのか(違いがあるとしてもデメリットしか思い浮かばないのですが)です。ご存知の方、ご意見のある方メール下さい。12/21 課徴金納付命令が12/22に出ており、クリスマスイブに刑事事件判決だそうです。12/24

・司法省反トラスト局のホームページに載っているクライン局長のスピーチ"ANTICIPATING THE MILLENNIUM: INTERNATIONAL ANTITRUST ENFORCEMENT AT THE END OF THE TWENTIETH CENTURYを見てみました。日本製紙事件(United States v. Nippon Paper Co., 109 F.3d 1 (1st Cir. 1997))への言及のほか、 最恵条項の違法性に関するDelta Dental case、連邦最高裁が最高価格再販を当然違法からはずしたState Oil v. Khanなどへの簡単な言及もあります(カーン判決を著作物再販の必要性の議論へもっていくコメントを新聞でしている人がいましたが、どう関係があるのでしょうね(^^;)。12/19

・12月1,2日公取委50年のシンポジウムが東京であり、米国からクライン反トラスト局長、アズケナガFTC委員(ボーイング・ダグラス合併事件で少数意見を書いた人です)、NYUのファースト教授、ECからDGWの総局次長、ドイツのイメンガ元独占委員会委員長などそうそうたる顔ぶれでした。クライン(これは上記のスピーチとだいたい同じ内容です)、ファースト、イメンガ氏等のスピーチ原稿は当日配布されましたが、まだHPには掲載されていないようです。ファースト教授はWTOによる競争法の統一へは米国政府と同様懐疑的ですが、独自の議論をしていました。イメンガ教授はさすがドイツ人らしい手堅さでした。アズケナガFTC委員のスピーチ(テーマは技術革新と国際取引、競争法)は原稿がなくて欲しかったのですが、最近手には入ってよかったよかった。12/19

・マイクロソフト事件については、司法省反トラスト法、Microsoftのホームページにかなりのデータが載っています。12/15

・アロインス化粧品事件高裁判決が判例タイムズに載りました。12/15