その品性たるや…
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先日使用していたディスプレイが表示不良を起こした。購入してから一年3ヶ月。毎日24時間使用したわけではない。メーカーに修理依頼をしたが、修理期間中の代替デイスプレイは「基本的に」提供しない方針であるという。お宅で代替デイスプレイを用意して対応してくださいとのことであった。納得できないので、それほど長時間の使用ではないこと、修理をするといいながら代替ディスプレイの提供依頼に応じないということは実質的な修理拒否ではないかと書面で伝えたが、「最終的な回答」は書面ではなく電話でNoであった。いろいろとこちらの思いもお伝えしたが結論はNoであった。

どうせそんな回答だろうと予想はしていたので、文書での回答依頼の最後に、今回の顛末はHPにて公開する旨を付言した。私はいわゆるクレーマーではない。しかしメーカーからの回答内容については結論も そうだが、付言についても多々納得がいかなかった。一言で言えば失礼であり、誠意もない、慇懃無礼なものだった。京都、石塀小路

ところがである、翌朝電話が入った。工場のディスプレイが1台見つかったので送ってもいいというのである。なんじゃそれ?である。前日の回答から一変、たまたま見つかったのでという話だった。いい加減にしろといいたくなる。代替機の貸し出し体制をとればコストはアップして価格設定に反映させねばならないという理屈はわかる。しかし今回のようなことがまかり通るならば、不公平極まりない。 控えめな人や運の悪かった人が泣き寝入りをしなければならないということになる。それが公式の回答であるといってもよいのではないだろうか。

数年前にS友銀行との間でトラブルがあったのを思い出した。通帳に印字した私の名前の一字が間違っていたのだが、そのときの彼らの問題解決の手法がよみがえった。要するに書面回答においては絶対に非は認めないし、付け入られる隙は作らない。その問題では私にはまったく非はなかったので、S友銀行本店に抗議文書を出すと、問題発生支店から菓子折りを持参して戸別訪問してきたが、そんなもの欲しさで文句を言ったのではないと、玄関で追い返した。そのときもっと厳しく対応すべきだったと後に後悔したが、菓子折りを受け取らなかっただけでも幸いだった。銀行側からの文書での回答は得られずじまいで、その後何の音沙汰もない。公式には無視されたも同然だと受け止めている。問題の通帳は自家に眠ったままである。

ただ東芝クレーマー事件などの例も考えると、これ以上徹底してやる勇気もないし、時間も金もない。結局メーカーの「好意による」申し出を断れば何万円かの出費が必要になるし、修理すればまだ使用できるはずのディスプレイを廃棄せざるをえなくなる。そんなことはすべきでない、そう思うことでなんとか頭の整理をつけて提供の申し出を受け入れることにしたが、S友銀行の対応の失礼さ、品格のなさをまた思い出して嫌な気分になってしまった。大企業と言っても、要するに力とお金があるだけで、その品性たるや、とるにたりない金貸しに過ぎない、そう思うのは私だけでしょうか。ねえ、さゆりさん。

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