購入してから5年になる車で、今年の六月に2回目の車検を受けた我家の乗用車。先日から、発進時に後部でコンという異音がする。走行に支障はないものの気になるので購入した販売店に見て頂いた。預けて三日目ぐらいに電話するとまだ原因が分からないと言う。仕事の都合もあるので、安全性に問題は無いという先方の言葉をとりあえずは信用して、戻して頂いた。もっとも原因の把握ができていないのに何故安全性に問題は無いと言えるのか不思議でならない。代車の準備ができてから、もう一度見させて頂きますということだったが、それからもう半月近くになろうというのに連絡は無い。担当のセールスの方からは最初から何の連絡も無い。
低グレードとはいえ世界に名だたるメーカーの車ということで、全幅の信頼をおいて購入した。私が購入しようと考えていた頃はちょうどモデルチェンジする時期にあたっていたので少し迷ったが、そのセールスの方に相談すると、現行(モデルチェンジ前)の車は開発されてから何年もたち、完成された車ですという言葉にも意を強くした。同一車種で競合した他の販売店のことについてはメカニックの技術レベルについての疑問の声をそのセールスの方からお聞きした。納得して購入したのだが、結果としては完成度、技術力いずれについても見事に期待を裏切られることとなってしまった。
こんな対応では今の車、これから先何が起こるか知れたものではない。もう外車はこりごり、やはりT社の車かと、この間の休みの日にショールームに最近話題の車を見に行った。若い女性社員がたどたどしいながらも、一生懸命応対してくれた。私も夢子さんも「ヘエエー」「ホオーッ」「フーン」。最新の車のハイテクノロジーに驚きの連続だった。提示された見積金額にも何となく納得。そもそも日本車の頻繁なモデルチェンジが嫌で、今の車に乗り換えたのであるが、やはり車は品質・安全性第一ということのようである。
品質、安全性といえば、M社の石油温風機によるCO中毒事故、一級建築士による構造計算数値の偽造で世間は騒がしい。M社は家電のトップメーカーとして業界での確固とした地位を保っているし、一級建築士も業務範囲に一定の排他性を与えられている。しかしその地位や排他性は反面それらの者に厳しい自己規制を求めるものであり、それが社会の道理であろう。「士」業を生業とする者は高いレベルの専門性と同時にその人間性が問われているはずだと、私自身「士」業の端くれとして思うものである。
でもどうしよう、まだ迷っている。夢子さんの一言が重い。「買い替えるんやったら、お酒の量減らしてもらわなアカンね」。「ドキッ」。