名医の記憶
ホーム 上へ これで良かったのかな…

 

 もう8年前のことになるが、永年の不摂生がたたって歯がガタガタになった。歯槽膿漏である。知人に歯科技工士さんがいたので歯医者さんを紹介して頂いた。自宅から電車に乗って30分はかかった。古ぼけた診療室と無愛想な看護婦さんに、大丈夫だろうかと少し不安になった失礼な記憶がある。

 そして最初の治療はというと、なんと歯磨き指導だった。「歯磨きがちゃんと出来るようになってから、治療しますから」と一言。すごいところに来たと思った。歯ブラシの先を歯と歯茎の境目にきちっと合わせて、磨くというよりもマッサージをするというような感じである。最初の頃はその方法でブラッシングするたびに血がにじんでいたが、そのうちに血行もよくなった。するとその先生は仰った。「ほら、歯茎の血色が見違えるように良くなった。では、治療をしましょう」。明日香、高松塚古墳近く

 「う〜〜ん」と難しい顔をして、先生がうなる。「やっぱり抜かなあかんでしょうか?」と不安そうに聞く私だったが、結局数本の歯が抜かれて、左側下の歯が殆どなくなってしまった。8020運動という言葉があるらしい。80歳で20本の歯を残そうというものである。私は50歳前にほぼその本数に近くなってしまった訳である。

 しかしその治療のおかげで、今日に至るまで歯の問題はほぼ皆無である。だからその歯医者さんには8年間も行ってないことになる。こんな歯医者さんは初めてである。それ以来毎晩の歯磨きを欠かしたことはない。

 正しい歯磨きの仕方(私の方法)

@     ブラシ部分は小さいもののほうが良い。歯の裏側が丁寧に磨けるから。

A     ブラシの先を歯と歯茎の境目に押し当てる。

B     振動させる。これで食べカスもとれるし、血行もよくなる。

C     歯磨き粉はつけない。あれをつけて磨くと磨いた気になりやすい。

D     磨くのではない。ブラッシングあるいはマッサージの感覚で。

ちなみに私は夢子さんの名案、風呂につかりながら歯磨きすることにしています。

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