世界新だあ
ホーム 上へ 犬と小さな庭

 

 「世界新ダアー」「ぶっちぎりでの金メダルー!」。タレントアナウンサーのプロレス中継のような絶叫が、朝のさわやかさを突き破って私の耳に遠慮なく飛び込んでくる。バルセロナで開催されている「世界水泳選手権」で日本選手が大活躍しているらしくて、このところ連日のことである。世界新記録だとか金メダルとかにあまり興味のない私には迷惑な状況であるに過ぎず、「分かったから、もう少し静かに伝えてくれないか」と言いたくなってくるが、勿論そんな思いが伝わるはずもなく、私はむっつりした顔で朝の食卓に着くこととなり、家族に嫌がられるということになる。

「女優A、今秋にも結婚?」といったタイトルで大の男が真剣な表情で、調査・分析・検討結果・意見を伝える。続けてグルメの宣伝…若い女性リポーターが「オイヒー!」とか「コクがあるのにアッサリしていて飲みやすい」とかいう決まり文句を言っては微笑む。毎日毎日、日本の朝をこのようなテレビ放送が満たしてくれる。緑地公園駅から公園に続く道

最近各地の小学校のPTAの呼びかけでノーテレビデー(兼ノーゲームデー)の試みが盛んだというが、ノーテレビの必要なのは子供達だけなのだろうか。サングラスのオジサンの呼びかけで有名人が「イイトモ」と出演して、かれこれ20年?という長寿番組がある。あまり好きな番組ではないが、テレビは所詮息抜きなんだからイイジャナイという意見もある。しかし息抜きのしかたは各人各様であり、そういう意見に「イイトモ」とは思えず、うつむきながら考えてしまう、「コレデイイノカ!?」  H15/8

追伸

先頃アテネで開催されたオリンピックでも日本は金銀銅のメダルを沢山獲得しました。素晴らしいことだと思います。

ただ個人的には、日本の経済的な成長はここにも現れているのではと思いました。またそれは企業というスポンサーを抜きにしては考えられないことではないかと。

 東京オリンピックのときヘーシンクに敗れた神永さんはその翌日の朝には職場でいつもと変わらず机に向かっていたといいます。日常の中でのオリンピック、そんな感じがしてすがすがしくなります。

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