「至福のとき」
ホーム 上へ 今日の苦しみは今日にて足れリ。

 

 

 毎年秋の血液検査では必ず肝機能の指標が基準値をオーバーする。やめればいいのだろうが、私の場合、「趣味」なのでやめられない(?)。そこでせめてもの自己管理策として手帳に毎日の飲酒量を記入している。休肝日である〇マークが週に4個並んだ時期があったが最近は2〜3個がやっとである。逆に●マーク(一合)が一日に5〜6個並ぶことがある。そして年末には年間飲酒量を集計して前年実績と比較する。ここ2〜3年は努力(?)の甲斐あり微減である。そんな事情もあって最近の私はあまり人と飲まず(飲みすぎるため)、もっぱら一人で味わいながら酒と付き合っているつもりである。

ところが昨年の秋、そんな私にピッタリの店を梅田で見つけてしまった。灘の酒「K」がメインの立ち飲みの店である。定員14人が並ぶと、斜めに構えて飲む必要がある。だからといって騒がしい店ではない。むしろ大声でしゃべりながらの飲酒はマスターに注意されることがある。他にも団体客(三人連以上)お断り、一人一回の飲酒五杯(一杯が約0.7合)までという暗黙のルールがある。開店したての空いた時間帯に行き、クラシックのBGMのなかで「ぬる燗」を黙って飲むのが目下の私の「至福のとき」である。そして三杯程度でさっと引き揚げ家では飲まない…そんなスタイルを目指している。年間飲酒量を前年比90%程度に減少させるのが今年のテーマのひとつであるが、逆になりそうな気もするそんな店であり、そんなお酒である。 H14/2

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