ここ数年学生時代の剣道部の同期生で暮れも押し詰まった頃に忘年会をしている。しんどい練習とつらい合宿を共にした仲間達であり、全員彼女無し・お金無しついでに「優」もほとんど無し(これは私だけ?)というのが共通項であった。卒業から30年近くがたつが、そんな仲間だけに会えばすぐに当時の雰囲気に戻ってしまう。いまでは皆ほんまもんのオッサンになってしまったが、夫々の個性は健在であり、お互いそれを確認しあいつつ歳を重ねていくのだろうと思う。今年は海外赴任中・東京在住者以外の者が三河湾のホテルの太平洋を展望できる露天風呂に集合することになっている。
そんななかで気がかりなことが一つある。一人の同期生がこの三年顔をみせないのである。激務からか体調を崩して会社も休んでいるらしい。まさか彼が…というのが第一印象だった。剣道は抜群に強く、卒業後も順風満帆の人生を歩んでいるように思っていた。責任感の強さとともに、私が思うよりずっと真面目な性格を併せ持っていたことも一因となったのだろう。ところが一昨日思いがけず彼から電話があった。「忘年会出席できず申し訳ない」とのことである。しばし雑談ができ少しホッとした。いずれにせよ同期生の一人としてゆっくり治せよと祈るばかりである。「今日の苦しみは今日にて足れリ。明日は明日自ずから煩わん」 H14/1