万年筆
ホーム 上へ 「食う寝る坐る 永平寺修行記」

 

 万年筆、ボールペン、シャープペンは同じものを永年使用している。そんなに高いものではないが、手になじんでいるためか使っていると落ち着く。最近万年筆のキャップがゆるくなって修理してもらった。続いてボールペンも芯の出し入れが調子悪くなり現在修理に出している。 考えてみると、物を修理してまた使うということをここしばらくしていなかったように思う。高度経済成長の流れのなかで使い捨ての習慣が身についてしまい、ましてや新品で性能のよいものを買うほうが経済的であるという現実を突きつけられると弱いものである。 しかし経済的であるということのみで自分の行動を決定してしまうことに最近は疑問をもっている。大企業の論理に振り回されるのは御免である。使用に耐える物は大切に永く使う。それが自然であり、美しいと思うようになった。

 人それぞれ価値観は違うだろうが、経済優先ということが価値判断の最初にくることは本末転倒だと思う。飲み放題、食べ放題…上品ぶる訳ではないが、あまり好きになれない。それぞれが大切にしたいもの…それを忘れずに日々暮らしてゆきたい。

H13/11

 

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