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奄美大島バードウォッチングの記録(旅行記)
2005年 9月20日 から 24日

鳥類5種類の日本固有種(オオトラツグミ・アマミヤマシギ・セルベスコノハズク・アカヒゲ・ルリカケス)と鷹(アカハラダカ)の渡りのバードウォッチングとアマミノクロウサギと両生類のオットンガエル・イシカワガエル・ハナサキガエルを見るために、奄美大島に行きました。

 9月20日  奄美大島・名瀬市  晴

海 正午伊丹発JAL2465便で、アカハラダカが空一面を舞う姿と日本の固有種である5種類の鳥(オオトラツグミ・アマミヤマシギ・セルベスコノハズク・アカヒゲ・ルリカケス)、両生類の固有種(オットンガエル・イシカワガエル・ハナサキガエル)そして、哺乳類の固有種(アマミノクロウサギ)に逢えることを胸に、奄美大島に向かいました。

奄美空港からは、連れの方が16年間お世話になっているというHさん運転のタクシーで大瀬海岸に行きました。途中のお店で買ったパンで昼食を摂りながらシギ・チドリを探すも、ほとんど姿を見ることができませんでした。(^^;)(^^;)(^^;)
諦めて、秋名農道を探索。ここで、マミジロツメナガセキレイの成体と幼体に逢うことができました。数々の鳥を見ながら名瀬市のホテルに入りました。

今回のバードウォッチングのスタイルは、朝はアカハラダカの渡りの観察、夜が所謂バードウォッチングです。
夜7時、Hさんのタクシーでホテルを出発し、まず常さんのお宅におじゃまして、照明道具一式をお借りしました。最新の情報もお聞きして、神屋林道で夜のバードウォッチングに向かいました。
街灯が無く真っ暗な道を、手持ちの照明灯で木々を照らしながら進んでいきます。オーストラリアのケアンズで体験した動物観察ツアーと同じです。

オオトラツグミ

オオトラツグミ

最初に逢ったのが、オオトラツグミ。ここでしか見られない鳥で、しかもめったに逢えない鳥なので、慎重にかつ素早く撮影準備。まずは車内から撮影。続いて、ドアーを音を立てずにそ~と開け、静かに下りて撮影。何となく警戒しているかなぁと思った瞬間、飛び立っていきました。(^^;)
しかし、撮影は一応成功。やれやれ。余程のことがないと逢えないので緊張しました。

林道の最後の方に出てきてくれたのが、アマミヤマシギ。急に車のヘッドライトで照らされたので、アマミヤマシギが落ち着くまで待って、撮影しました。大変のんびりした鳥です。飛び立つときも、あまり上手な飛び方とは思えない、ぎこちない感じがしました。全部で6固体観察できました。

次に、三太郎峠に行き、観察しました。ルリカケス、セルベスコノハズク、アオバズクが見られました。撮影はさせてくれませんでしたが、一日で貴重な鳥を見ることができ、十分満足できました。12時前ホテルに戻りました。

今日見た鳥たち。
ダイサギ・コサギ・コチドリ・シギSP・イソヒヨドリ・セッカ・マミジロツメナガセキレイ(成体、幼体)・スズメ・キジバト・ハイタカ・Rツバメ・キセキレイ・ヒヨドリ・ハシブトカラス・オオトラツグミ・Aヤマシギ・ルリカケス・セルベスコノハズク・アオバズク
(見た順番。Rは「リュウキュウ(琉球)」、Aは「アマミ(奄美)」の略、以下同じ)

 9月21日 晴

Rアカショウビン

琉球アカショウビン

午前6時半ホテルを出て、アカハラダカの観察場所に向かいました。途中で、休んでいるアカハラダカを期待しましたが見ることはできませんでした。
ここのアカハラダカは、午前8時過ぎから10時半ごろまでしか飛ばないそうです。対馬のアカハラダカは午後も飛び立ちましたが。所変われば、ということでしょうか。16日に対馬を9万2千羽が飛び立ちましたので、期待していましたが、486羽でした。

自然観察の森へ移動し、バードウォッチング。どちらかと言うと休憩を兼ねていましたが、リュウキュウアカショウビンに逢えました。南に帰る直前の鳥です。ほとんど囀らないので、見つけるのは非常に困難なのですが、Hさんが見つけてくれました。そして、幸いにも撮影もできました。

夜は7時にホテルを出て、名音峠から湯湾岳でバードウォッチング。ここでは、鳥以外に、オットンガエル・ハナサキガエル・サソリモドキ・アカマタ(蛇)に逢えました。ホテルに戻ったのは12時を過ぎていました。

今日見た鳥たち。
Rサンショウクイ・Rシジュウカラ・Rヤマガラ・オーストンアカゲラ(声)・ルキカケス・カラスバト(声)・アカハラダカ(486羽)・コゲラ・ハシブトカラス・エゾビタキ・ズアカアオバト・Rコゲラ・Rアカショウビン・Rツバメ・キジバト・Aヤマシギ・セルベスコノハズク・アオバズク

 9月22日 晴

今日も午前6時半ホテルを出て、アカハラダカの観察場所に行きました。羽を乾かすアカハラダカの姿は見られませんでしたが、カラスバトに逢えました。
今日のアカハラダカの数は574羽。空を黒く染めるには程遠い数です。しかも、遠いところを渡って行きました。
展望台で昼食を摂りながらのバードウォッチング。アカハラダカは見ましたが、渡る様子はありません。餌採りのようです。
帰りの名瀬湾でイルカを3頭見ました。今日は昼寝をせずに、鳥合わせをしました。

ハブ

ハブ

午後7時神屋林道でバードウォッチング。アマミヤマシギ・セルベスコノハズクなどを観察して、折り返して帰る途中、急ブレーキ。

「ハブだ」。ハブが獲物(鳥)に巻きついているところでした。Hさんが「めったに見られないから写真とって」と言われましたが、足がすくみました。実は、車を降りるときにはいつも「ハブがいるから、気をつけて降りてください」と言われていたのですが、写真を撮ることに気をとられ、足元はあまり注意していませんでした。

が、現実に目の前で、ハブがとぐろを巻いている姿を見ると、なかなか車から降りられません。ドアーを開け、懐中電灯で辺りを照らし、三脚の脚で草むらを点検してから、やっと降りました。ハブは鎌首をもたげて、攻撃の姿勢を執りました。反対側から降りた人が撮影すると、ハブがその人の方へ向かっていきます。フラッシュの光に反応するようです。ハブが向こう側へ移動したので、今度は私が撮影しました。すると、今度はこちらへ向ってきます。速い。想像以上に速いです。人が後ずさりでは逃げ切れないほどの速さです。

Hさんがハブ取棒で捕まえてくれました。体長約1.5m、胴回り約3cm程の大物でした。Hさんはそれを林の中へ逃がしてあげました。
安全な場所(草むらが無い広い場所)に移動してから、ハブの獲物を撮影しました(下の写真:アカハラダカでした)。

ハブに噛まれたアカハラダカ

上記のハブに噛まれたアカハラダカ

Hさんの話では、島(奄美大島)の鳥はハブの恐さを知っているので、ハブが近づいてくると判るように、枝の先の方に止まって寝るそうです。しかし、渡りの鳥(アカハラダカ)はそれを知らないので、いつものように太い枝に止まって休むので、ハブにやられるのだそうです。これも、自然の掟ですね。

この場所は、我々が30分前に通ったところです。その時はアカハラダカを見つけることができませんでした。しかし、アカハラダカは居たはずです。もし、我々がアカハラダカを見つけていたら、間違いなくアカハラダカをフラッシュを炊いて撮影していたはずです。すると、アカハラダカの近くに居たハブはどのような行動をとったでしょうか。考えただけで、ぞ~とします。

今夜はこれでバードウォッチングを止めて帰ることにしました。

今日見た鳥たち。
カラスバト・アカハラダカ(572羽)・Rツバメ・Rシジュウカラ・Rメジロ・Rヤマガラ・Aヤマシギ・セルベスコノハズク・キジバト

 9月23日 晴

セルベスコノハズク

セルベスコノハズク
琉球コノハズク

今日も6時半にホテルを出て、観察場所に向いました。カラスバトは昨日と同じ所に止まっていました。巣があるのでしょうか。
アカハラダカは186羽でした。尻すぼみです。ここで、長年観察しているTさんの話では、朝鮮半島に低気圧が居座っていてアカハラダカが渡って来れないそうです。
自然観察の森でバードウォッチングをしてからホテルに戻りました。インターネットで調べてみると、対馬でも17日以降「観察不能」となっていました。

夜7時にホテルを出て、今日は名瀬市安茶木場でバードウォッチングをしました。ここは、Hさんの推薦の場所です。

今日見た鳥たち。
カラスバト・アカハラダカ(186羽)・Rツバメ・Rサンショウクイ・キジバト・セルベスコノハズク・ルリカケス

 9月24日 曇

チョウ 今日は昨日までとは違う観察場所に行くことにしました。
昨日までの観察場所では、今年のアカハラダカは遠くから舞い上がるので、小さくて撮影には不向きであること。小さな何千のアカハラダカよりも数匹の大きなアカハラダカの写真を撮りたいこと。などを考慮して、場所を変えました。

午前5時半ホテルを出て、アカハラダカが飛び立つであろうと思われる場所に向いました。今日はどんよりと曇っています。鷹の渡りには不向きな天候です。しかし、予想したとおり、近くから舞い上がってくれました。が、飛び立っても戻ってしまいます。果敢にも舞い上がるツワモノがいました。しかし、舞い上がるとすぐに流れていきます。速い。手持ちのカメラでもピントを合わせる暇もありません。残念。(^^;)(^^;)(^^;)
どうもこの付近から飛び立って、昨日までの観察場所の近くで合流し、渡って行くようです。
今年のアカハラダカの観察はこれで終わりにして、奄美大島最後のバードウォッチングの場所に移動しました。

蒲生岬です。行ってびっくりしました。池が人工的に変えられています。木製の手すりが張り巡らされています。これでは興ざめです。ここまで来て人工の池とは。これでは鳥たちも寄り付かないでしょう。諦めて展望台から海鳥を見ることにしました。しかし、成果なし。

奄美空港に行き、午後3時発のJAL2464便で大阪に戻りました。

今回の探鳥旅行は、目的のアカハラダカの雄姿を間直に見ることはできませんでしたが、奄美大島の方々のご親切なお心により楽しく気持ちのよい旅になりました。またアマミノクロウサギには逢えませんでしたが、すべての固有種にも逢え、ハブの餌取の現場に出くわす貴重な体験もできる幸運にも恵まれた旅になりました。

 

今日見た鳥たち。
Rツバメ・キジバト・アカハラダカ(18羽)・アカヒゲ・サンコウチョウ(声)・Rアカショウビン(声)・セルベスコノハズク(声)・Rサンショウクイ・ハシブトカラス・ミサゴ・コサギ・ルリカケス・カラスバト・Rメジロ・Rシジュウカラ・Rヤマガラ・エゾビタキ・スズメ

奄美の生き物たちの写真は、こちらでご覧ください。別画面になります。何かの参考になれば幸いです。

今回の旅行でも、プラスチックのごみを見つけました。何気なく捨てたのでしょうが、プラスチックは大変厄介な代物です。もし、プラスチックが海に出て、それを魚や鳥が食べると、食べた魚や鳥の胃の中に残ります。プラスチックは、自然に無くなるということはありません。いついつまでも、食べた生き物の胃の中に残り続けます。
プラスチックが直接それを食べた生き物を死なせるということはありません。しかし、胃の中にプラスチックが溜まると、食事をしなくても、満腹感を覚えます。それで、食事を摂らなくなると思われます。すると、結果的に、プラスチックがそれを食べた生き物を死に至らしめることになります。
プラスチックを食べた魚を、今度は人が食べるわけです。
私の鳥の師匠が「人がおいしく頂けるものしか、残していってはいけない」とおっしゃっていました。一般的には「残していいのは足跡だけ。持って帰っていいのは思い出だけ」と言われています。すべてのごみは持ち帰りましょう。

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