週末恒例・大人の五体投地


2003年6月29日(日) 「ならばお口で」

 妊娠3ヶ月目の妻・わんことは、妊娠発覚以来一、二度しか合体致していない。

 ある暑い夜、あまりの切なさに堪えかね、妻のカラダをまさぐっているうちに妻のカラダに火を付けてしまった、ということがあった。

 んじゃ遠慮無く、ということで灯りを消して妻の寝間着を脱がせ、本格的に愛撫を加える。上から下へ、下から上へ。裏へ表へ。前も後も。舌と指と手のひらでくまなく、くまなく。

 そうこうするウチに我が愚息もすっかり上を向いている。合体したくてしたくて溜まらない。しかし、妻は妊娠初期。無理な合体は彼女のカラダにも赤ん坊にも良くない、と言う。ガマン、するしかないのか……。

「お口で、したげるよ」

 おお! なんと素晴らしい妻だろう。しかし無理するでないよ。しんどくなったらいつでもおやめ、といういたわりの気持ちは快感に押し流される。人間、やはり正直に生きて損はない、とこの瞬間に悟る。

 しかし、なんだか妻の様子がおかしい。ボクのヘソの下に顔を埋めてすぐ、彼女の口元から妙な音がした。

「ペッ、ペッ!」と何かをはき出すような音や
「ケホケホ」と軽くむせるような音。

 ……そうだ。重大なことをすっかり忘れていた。このところ暑くて暑くて、汗を掻いてたまらないので、風呂から上がるとすぐ、ワタクシは首と言わず胸と言わず、汗をかきそうな所へは一通り「ベビーパウダー」をパタパタしてるのであった。どうやら股間にも粉がたっぷり付いていたらしく、わんこはそれに苦しんでいる模様である。

 ここで訳を話して中止させるべきか。そのまま快感に身を委ねるべきか。迷った。首がうなだれてしまうくらい迷った。だが息子はうなだれなかったので、正直に生きよう、と決心した。まあ、毒では無かろうし。

 どうせ、すぐ終わっちゃうし。ちぇっ……。

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