鼻の奥がカユクなるバツイチへの道
第7章 最初の別れ
第7話 最後に…
「アタシと、別れてくれる?」
「やっぱり…そう来ると思った…」
「…うん…」
「でも聞いてみよう。何で?」
「え?…うん…」
「他に好きな男が出来た?ちがうなぁ?」
「うん…違う」
「じゃあ、何でやろ?」
「うまく言われへんけど…なんか、違うねん。」
「そら、違うやろなぁ。他人やし…」
「そう言われたらそうやねんけど…でも。なんか。違う、ねん。やっぱり…」
「そう…もういっぺん考えてみ。まだ10ヶ月だけやし。付き合ってから」
「…考えたよ。ずいぶん考えたつもり…」
「頭で考えたんやろ?心で考えた?」
「考えた…つもり」
「…そうか」
…長い沈黙の後、K子が口を開く
「あのね…最後に…」
それだけ聞けば十分だった。
二人は最後の最後まで同じことを考えていた。
15分後、二人はホテルの一室でいつもに増して激しく求め合っていた。
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