鼻の奥がカユクなるバツイチへの道


第7章 最初の別れ
第5話 拒否




 ある日。

 いつものようにホテルへ入る。

 さっさとシャワーを浴びてK子をベッドで待つ。


 シャワールームから出てきたK子は

 「さ、カラオケしよ♪」

 マイクを片手に歌い始める。

 1曲、2曲、3曲…10曲を越えた頃

 一緒になって遊んでいた僕もそろそろ飽きてきた。

 「なあ、もうええやん。」

 「いや!今日は歌うの!」

 「ん?なんでぇ?もう、ええやろ?」

 「ううん!もっと歌うの!」



 またもやリクエストを入れるK子。

 しかたなく苦笑いで気持ちを抑えこむ。
 
 僕はいつもの気まぐれだとばかり思っていた。

 

 それが最初の、拒否、だったと気づくのはもう少しあとのことになる。



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