鼻の奥がカユクなるバツイチへの道


第7章 最初の別れ
第3話 ラブホテル




 秋がすぎ、冬になり。

 付き合い始めて半年以上すぎたころ。
 
 二人で旅行に行った。

 初めての旅行だった。

 行き先は城崎。

 高い旅館には泊まれないので

 彼女の家の車をこっそり借りて

 ラブホテルを転々とした2泊3日だった。


 K子は初めてのラブホテルだったようだ。

 「うわーーー。ひろーーーい」

 「あーーー!カラオケーっ」

 もうすっかりご満悦。

 酒も持ち込んでカラオケ三昧。

 二人で過ごす夜だというのに

 清いままで終わったのは初めてだったのかもしれない。

 これ以来、K子はすっかりラブホにはまってしまうのである。


 デートと言えば金の続く限りラブホテル。

 そんな逢瀬が続いた。


 しかしそうそう金銭的に余裕のあるはずもなく

 デートはついついお預けになることもしばしばだった。



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