鼻の奥がカユクなるバツイチへの道
第7章 最初の別れ
第1話 引きこもる
こうして付き合うようになった二人だった。
付き合うといっても金のなかった学生時分。
デートの費用に事欠くことも多く
その多くは我がボロアパートでの
引きこもりになることがしばしばだった。
引きこもるといったってスルことは決まっているのだが。
壁の薄かった当時のアパート。
夜になるとともすれば隣や階上の話し声が丸聞こえになる。
下手に盛り上がって夜になってからイタソウものなら
天井から壁から
「ドンドン!」
「ガンガン!」
「シズカニシロ!」
…口を手で押さえつつ、非常に罪悪感すら感じさせる方法での営み。
逆に日中はほとんど人気がなく、静かなものだった。
週に何度かのデート。
その多くが真昼間からの
ボロアパートでのセックスを意味するようになるまで
それほど時間はかからなかった。
戻る 前へ 次へ