鼻の奥がカユクなるバツイチへの道


第6章 予感
第5話 ひとつ




 「っ!…」

 「どうした?あ…少し痛かった?」

 「ううん…大丈夫…く…」

 「力抜いて…大丈夫やから」

 「うん…」

 小さく、恥ずかしそうに僕の胸の中でK子がうなずく

 「久しぶりなん?」

 「うん…それも、あるかも…」

 「こわくない?」

 「少しだけ…」

 身体をずらす

 「あっ…」

 小さく叫ぶK子

 「痛いの?」

 「ううん…何でもない…あっ…ああっ…」

 K子の表情が変わっていくのが、暗闇の中でもよく判った

 「どうしたん?え?言うてみて?」

 「い、いじわるぅ、う、んんンっ!」

 「K子…かわいいよ」

 大きく動く

 それにつれてK子の体温も跳ねるように上がっていく

 「…うれしいの、うれしいの、あああっ!」

 「うれしいの?気持ちいいの?どうして欲しい?」

 「わからへんよぉっ…ああっ、だ、だめ、アカン…」

 K子の体が大きくのけぞる

 と同時に瞬時に登りつめていく

 「ここ?こう?」

 「あああん、そう…そこ!そこ!」

 「僕も、いいよ、気持ちいいよ」

 「ああっアタシ、もう…だめぇっ………!!」

 そして、二人は今、本当に一人になった…



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