鼻の奥がカユクなるバツイチへの道


第5章 キス
第3話 手料理




 「なにーその顔っ!」

 遠慮会釈なく笑い転げるK子に、ぶすっとした表情を作ったつもりが、

 よりひどい顔になったばかりらしく、彼女はますます笑いのボルテージを高めていく

 つられて笑ってしまう。笑ったら負けだ。しかたない

 「あ〜あ。かわいそうに。目医者いったん?」

 「あほぉ、今日は日曜やろ」

 「ああ、そうかそうか。じゃ、冷やすしかないね」

 そういってタオルを氷水に冷やして取り替えてくれた

 「なんか食べたん?まだでしょ?途中で買い物してきたから、お昼一緒に食べよう」

 「え・まさか・手料理ですか?」

 「そうよ。アタシこう見えても得意なんよ」

 「いや…めばちこのうえに食中毒は…ちょっと…」

 「あ〜言いましたね?よし。驚くな!」

 しかし、実際にK子の料理はうまかった

 食べ過ぎてしまったくらいうまかった

 「ああ、食べた〜食べ過ぎた〜。ごちそうさまぁ!」

 「う〜ん…アタシも食べ過ぎた〜!うっぷぅ」

 朝からの騒動で少し疲れが出てしまったのか、

 そのまま畳に倒れこみ、いつの間にか僕は眠ってしまったようだ…



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