鼻の奥がカユクなるバツイチへの道
第4章 初デート
第3話 さびしいもん
「おい、大丈夫か、おいって!」
「む〜、酔ってもうた〜、あ〜・・・」
そういいながらK子はJR大阪駅桜橋口の改札の前で座り込んでしまう
スカートがめくれ上がり、
太ももの半ばまで露わにしたままうつむいてへたり込むK子
いつもならウヘヘ♪だが、今はそんな余裕もない
「はい、これ。水飲み、水」
まだペットボトル入り飲料などなかった時代
缶入りの天然水を買って手渡そうとしたとき、
K子の腕が下から伸び、僕の首に巻きつく
「あ、おい・・・人が見てる・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
肩に顔を押し当て・・・泣いている
「なぁ、どないしたん、泣くこと、ないやんか・・・」
K子が泣く理由は判っていた
「・・・だってさびしいのに、さびしいのに・・・」
小さな声でしゃくりあげながらそう繰り返すK子
最後の電車が出て行くまでそう時間がなかったが・・・
K子の頭をなでながら、せめて今だけでもと…
そっと彼女の背に手を回した・・・
戻る 前へ 次へ