鼻の奥がカユクなるバツイチへの道


第3章 帰りの車で
第1話 彼氏のこと




 「あーよく遊んだねー」

 「いや、ホンマホンマ。クタクタやぁ。・・・君、運転大丈夫?」

 「うん、しんどくなったら替わってね」

 夕日を受けながら帰りの車の中、K子とくだらない会話を引き続き繰り返しています

 「最近、彼氏と会ってるの?」

 「う〜ん、忙しいからねぇ・・・観たい映画もあるけど、なかなか観に行けなくって」


 「何してる人? 彼氏」

 「テレビの製作会社」

 「ああ、それは忙しいやろなぁ」

 「帰ってくるのも遅いみたいで電話で話も全然してない」

 「ふ〜ん、付き合ってどれくらいになるの?」

 「ええっと、2年には、ならへんかな・・・」

 「家は近いの?」

 「うん、すごい近所。幼なじみみたいなもんかな」

 「幼なじみ・・・へ〜すごいなぁ」

 「親同士が仲良くってネ、で飲みに混じってるうちに、なんとなく」

 「へー(これはまったく食い込む余地がなさそうな・・・)

 「もう、1ヶ月も会ってないよ」

 「さびしいやろ?」

 「ううん。慣れてきた」



戻る  前へ  次へ